企画展「文様のちから─技法に託す─」が、東京の根津美術館にて、2022年1月8日(土)から2月13日(日)まで開催される。
縞文様や格子文様、唐草文様、そして吉祥文様など、工芸品に施される文様は、作品の外形と調和して独特の魅力を生みだしている。作り手は、文様をあらわすためにもっとも適した技法を考案し選択する一方、それぞれの技法がもつ特性を活かした文様表現も追求してきた。その意味で、文様と技法は不可分な関係にあるといえる。
企画展「文様のちから─技法に託す─」は、文様と技法それぞれの視点から、両者の関係に光をあてる展覧会だ。染織品を中心に、絵画、漆工品や陶磁器などを展示し、文様と技法とが一体となって織りなす作品世界を、2章構成で紹介する。
第1章「文様から技法を探る」では、文様と技法の関係性に着目しつつ、能装束や現代の着物の原型である小袖を展示。蒸気が立ち昇るような立涌文(たてわくもん)の上に、雪が降り積もる老松の刺繍を動きに満ちた配置で表現した《茶地立涌雪持松模様縫箔》や、籠目文様(かごめもんよう)を基調に、胡蝶の舞う秋草を織りだした《紅浅葱段籠目草花模様唐織》など、多彩な衣装を目にすることができる。
また、当時の服飾の流行を反映した《誰が袖図屏風》は、描かれた衣装の技法を特定できるほどに緻密な描写で表現されている。本展では、描かれたきものの文様と技法の観点から、この作品を紹介する。
一方、第2章「技法から文様を探る」では、同一のモチーフをあらわす際、陶磁器、漆工品、金工品にあらわれる技法の違いを紹介。漆を重ねた層を彫って文様をあらわす「堆朱」の技法で龍文を立体的に表現した《雲龍堆朱盆》や、鋳造ならではの柔らかな表現が特徴的な《雲龍八花鏡》などを展示し、技法を特徴付ける行為に着目しつつその特質に光をあててゆく。
企画展「文様のちから─技法に託す─」
会期:2022年1月8日(土)~2月13日(日)
会場:根津美術館 展示室1・2
住所:東京都港区南青山6-5-1
休館日:月曜日(1月10日(月・祝)は開館)、1月11日(火)
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
入館料:一般 1,300円、学生 1,000円、中学生以下 無料
※オンラインでの日時指定予約制(1月5日(水)より美術館ホームページにて受付)
※障害者手帳提示者および同伴者は200円引き
※オンライン日時指定予約の定員に空きがある場合のみ、当日券(一般1,400円)を美術館受付にて販売
■日時指定予約制
・来館希望時間帯の2時間前までに根津美術館ホームページ上にて日時指定券を購入(クレジットカード決済のみ)
・根津倶楽部会員、招待はがきを所持していて入館無料の場合も予約が必要
【問い合わせ先】
根津美術館
TEL:03-3400-2536 (代表)