特別展「国宝・燕子花図屏風—デザインの日本美術—」が、東京・南青山の根津美術館にて、2024年4月13日(土)から5月12日(日)まで開催される。
総金地に燕子花の群生をリズミカルに配置した、尾形光琳による国宝《燕子花図屏風》。特別展「国宝・燕子花図屏風—デザインの日本美術—」は、《燕子花図屏風》を中心に、主に近世美術を通して、デザインという視点から日本の美術に光をあてる展覧会だ。
光琳の《燕子花図屏風》は、絵画とデザインの境界にある作品であると捉えられる。燕子花の花や葉には、画家の筆致を確かに認めることができる一方で、平面的・幾何学的な構図は、現在のグラフィックデザインを彷彿とさせるものだ。
《燕子花図屏風》に見られるデザイン性や装飾性は、日本美術の特徴のひとつである。実際、光琳が継承したやまと絵の伝統においては、現実と向き合い、自然や風俗を優美に表現することを試みてきたのだった。本展では、《燕子花図屏風》が可憐な草花を大画面絵画のモチーフに選んだことに着目し、《桜芥子図襖》など、草花を表した屏風や襖を展示する。
また、《燕子花図屏風》は、『伊勢物語』に着想を得ているというように、草花図でありながら物語や和歌とも関わるとされている。つまり同作は、デザインを通して文学の世界を象徴的に表すものだといえる。会場では、装飾を施した和歌集の料紙など、和歌や物語にまつわるデザインにも光をあてる。
さらに、本展では、工芸と絵画の交錯にも着目し、和歌の意匠をやまと絵のように表現した重要文化財《春日山蒔絵硯箱》や、衣桁にさまざまな着物を掛けた様子を描く《誰が袖図屏風》なども紹介する。
特別展「国宝・燕子花図屏風—デザインの日本美術—」
会期:2024年4月13日(土)〜5月12日(日)
会場:根津美術館
住所:東京都港区南青山6‐5‐1
開館時間:10:00〜17:00
※5月8日(水)〜12日(日)は19:00まで開館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(4月29日(月・祝)、5月6日(月・振)は開館)、5月7日(火)
入館料:一般 1,500円(1,300円)、学生 1,200円(1,000円)、中学生以下 無料
※日時指定予約制(4月9日(火)より美術館ホームページにて日時指定入館券を販売。招待はがきなどで入館料無料の場合も予約が必要)
※( )内は障害者手帳の提示者および同伴者1名の料金
※当日券(一般 1,600円、学生 1,300円)も販売(混雑状況によっては当日券を販売しない場合あり)
※予約は1グループにつき10名まで
【問い合わせ先】
根津美術館
TEL:03-3400-2536(代表)