有村:私も宗谷です。この役は本当に難しいなと思うのが、足し引きを間違えると、ただ空気のような存在になってしまいそうなんですよね。加瀬さんが一体何を考えてそこに立っていたんだろうってすごく興味が湧くし、やはり加瀬さんだからあの雰囲気が出せるんだろうなと思いますね。
劇中でお気に入りのシーンがあったら教えてください。
有村:私は零が家で寝込んだ時に、三人姉妹がマスクしながら来て「病院行こう!」って言うシーンです。すごくかわいくて胸キュンしました。
神木:印象的なのは、香子が「全て将棋に奪われた」と言うシーンです。今まで強がっている姿しか見たことがなかったので、初めて涙を流すような彼女を見て、この人も苦しんでいるんだなと思いました。迫力や叫びのようなものが見えました。
お2人が考える、今後お互いにこんな役をやってほしいというのがあれば教えてください。
神木:猟奇的な役をして頂きたいです。全然イメージがないので、見てみたいです。どんな顔をするんだろうと思います。
有村:ラブストーリーを見たことないので、やってほしいですね。まっすぐにはいけない、試練があるようなヒューマンラブストーリーです。
最後に、観客に向けて一言お願いします。
神木:前編は熱い映画、後編は温かい映画。後半の最後の零の表情は自分で演じていながらも自分で良かったなと救われた気持ちになりました。まるでお味噌汁を飲んだような温かい気持ちになり、家族にありがとうと言いたくなる作品になっていると思います。
有村:登場人物みんなが思いを抱えて、それぞれの苦しみがわかる前編とそれを回収するのが後編。みんなが報われて終わる映画です。前後編通して1本の作品になっています。
■配役
神木隆之介(桐山零役)
有村架純(幸田香子役)
倉科カナ(川本あかり役)
染谷将太(二海堂晴信役)
清原果耶(川本ひなた役)
佐々木蔵之介(島田開役)
加瀬亮(宗谷冬司役)
伊勢谷友介(甘麻井戸誠二郎役)
前田吟(川本相米二役)
高橋一生(林田高志役)
岩松了(神宮寺崇徳役)
斉木しげる(柳原朔太郎役)
中村倫也(三角龍雪役)
尾上寛之(松本一砂役)
奥野瑛太(山崎順慶役)
甲本雅裕(安井学役)
新津ちせ(川本モモ役)
板谷由夏(美咲役)
伊藤英明(後藤正宗役)
豊川悦司(幸田柾近役)
中学生で将棋のプロ棋士としてデビュー。東京の下町にひとりで暮らす17歳の棋士、桐山零(きりやまれい)。幼い頃に両親と妹を交通事故で亡くし、孤独の中で将棋を指し続けた。
そんなある日、零は同じ下町に住む3姉妹・川本あかり、ひなた、モモと出会う。それは、将棋盤以外の“自分の居場所”との出会いでもあった…。激しい才能と激情がうごめく棋士たちの生きる将棋の世界と、陽だまりのような川本家の温かい食卓。数々の対局とあたたかな人々との交流を通じ、零は棋士として、人として、ある覚悟を決めていく。
■作品情報
映画『3月のライオン』
公開日:前編 2017年3月18日(土)、後編 2017年4月22日(土)
監督:大友啓史
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、佐々木蔵之介、加瀬亮、伊勢谷友介、前田吟、高橋一生、岩松了、斉木しげる、中村倫也、尾上寛之、奥野瑛太、甲本雅裕、新津ちせ、板谷由夏、伊藤英明、豊川悦司
原作:羽海野チカ「3月のライオン」(白泉社刊・ヤングアニマル連載)