『ジョーカー』の続編にあたる映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』通称『ジョーカー2』が、2024年10月11日(金)に公開される。
映画『ジョーカー』は、バットマンの敵役として登場したDCコミックスの人気ヴィラン・ジョーカーにフィーチャーした作品。人々を恐怖に陥れるヴィランとしての姿ではなく、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、都会の片隅でピエロメイクの大道芸人として細々と生きていた、心優しい孤独な男がジョーカーになるまでの衝撃的かつ切ない誕生秘話を描き、ヒットを飛ばした。
後にジョーカーとなるアーサー・フラック役を務めたホアキン・フェニックスの怪演も大きな話題を呼び、第92回アカデミー賞では主演男優賞を受賞している。
そんな『ジョーカー』の続編にして完結編となる映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』では、前作に続き、トッド・フィリップスが監督を務め、主演のホアキン・フェニックスがアーサーことジョーカー役を続投する。
また、物語の鍵を握る謎の女・リー役に、『ハウス・オブ・グッチ』で主役を務めたレディー・ガガを起用。ジョーカーに恋焦がれるハーリーン・クインゼル、通称“ハーレイ・クイン”のような役どころになるであろう。
ちなみに、オリジナル作品のハーレイ・クインは、かつて精神病院に勤務する精神科医だったが、患者であるジョーカーに魅了されてヴィランとなっていくキャラクター。レディー・ガガが演じるリーもまた、自身の孤独をジョーカーによって救われる役柄で、彼に羨望のまなざしを向ける。絶望を知る2人は互いに共鳴していき、ジョーカーの暴走は加速。そして「完全」となったジョーカーが、さらなる波乱を巻き起こしていく。
監督を務めるトッド・フィリップスは、「アーサーは音楽と共に生きているんだ。それが続編の原点となった」「これはミュージカル映画ではないが、音楽が重要な要素である」と明言。劇中では10を超える楽曲が登場し、いずれの歌唱シーンもホアキン・フェニックスとレディー・ガガの生歌で収録されたという。
また、前作『ジョーカー』でも印象的だった仕草や、TVのセット、群衆の熱狂などの要素が随所に盛り込まれる一方で、前作にはない“舞台”を思わせるような空間が登場しているのもポイント。妄想とも現実ともつかないシーンが映し出されるなど、美しくも狂気に満ちた映像世界が繰り広げられる模様だ。
精神障害のひとつ“感応精神病”・“2人狂い”を意味する「フォリ・ア・ドゥ」のタイトル通り、社会への反逆者にして人々の代弁者として祭り上げられたジョーカーと、そんなカリスマに魅せられ新たなジョーカーと化していく民衆たちの伝播する暴走に注目したい。
日本語吹替で主人公・ジョーカーの声を務めるのは、アニメ「ONEPIECE」のサンジ役や「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジャック・スパロウ役などで知られる平田広明。『ジョーカー』のブルーレイ&DVD に収録された日本語吹替版からの続投となる。
謎の女性・リーは、『オーシャンズ8』のナインボール役やアニメ「ワールドトリガー」の空閑遊真役など幅広い役柄で活躍する村中知が演じる。そのほか斎藤志郎、塩田朋子、角野卓造、木下浩之といった豪華声優陣が名を連ねている。
主人公・ジョーカー/アーサー・フラック…ホアキン・フェニックス(吹替:平田広明)
コメディアンを夢見て大道芸人として生計を立てていたが、当然笑い出してしまう病気が原因で周囲から不気味がられる日々。次第に精神を病んでいったアーサーは、ピエロメイクを施した悪のカリスマ“ジョーカー”へ変貌を遂げ、社会への反逆者・民衆の代弁者として祭り上げられる。
第1作では、暴走したジョーカーが警察に捕まり、州立病院に収監されているシーンで幕を閉じた。
リー…レディー・ガガ(吹替:村中知)
ジョーカーが閉鎖病棟で出会う謎の女。理不尽な社会の代弁者として祭り上げられたジョーカーの狂気に魅了されている。ジョーカーと同じピエロ風のメイクを施したり、社会への反逆を企むジョーカーへ優しい言葉をかけて共に民衆を扇動していく。
ジャッキー…ブレンダン・グリーソン(吹替:斎藤志郎)
ジョーカーが収監されているアーカム州立病院の看守。
メリーアン…キャスリン・キーナー(吹替:塩田朋子)
ジョーカーの弁護士。
ハービー・デント(吹替:山田裕貴)
裁判でジョーカーを追い詰める正義感溢れる検事。
裁判長…(吹替:角野卓造)
裁判でジョーカーを追い詰める。
パディ…(吹替:木下浩之)
裁判を直前に控えたジョーカーに独占取材を行うインタビュアー。
リッキー…(吹替:上村祐翔)
アーカムの囚人。ジョーカーに憧れている。
アーカムの若い囚人…(吹替:福西勝也)
ソフィー…ザジー・ビーツ(吹替:種市桃子)
前作『ジョーカー』でアーサーが心惹かれていた元隣人のシングルマザー。
ルー博士…(吹替:前田一世)
アーサーの精神科医。
ゲイリー…リー・ギル(吹替:越後屋コースケ)
アーサーの元同僚。
ケーン…(吹替:伊沢磨紀)
民生委員。
なお、映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は、第81回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門へ出品される。前作『ジョーカー』が出品された際は、最高賞となる「金獅子賞」を受賞しており、前代未聞の連続受賞に期待がかかる。