1955年、マリー・クヮントがアレキサンダー・ブランケット(後の夫)とその友人の3人で共同し、ロンドンのキングズ・ロードにブティック「バザー:BAZAAR」を開店。
マリークヮントは、イギリス・ロンドン発のファッション・コスメティックブランド。1950年代にそれまでタブーとされていたミニスカートを発表し、"スウィンギングロンドン"というカルチャームーブメントを巻き起こした。
現在は、インナーウェア、靴下、帽子、インテリア小物から、コスメティックスまで、あらゆる分野の商品を手がけ、ビジネスとして大成功している。特に、化粧品では、「ノン・ルール・メイキャップ」(好きなときに好きな色を使って化粧する)というキャンペーンを打ち出し、120色のアイカラー、101色のリップカラー、99色のネイルカラーを展開するなどバリエーションがとても豊富で人気がある。
1955年、クヮント、アレキサンダー・ブランケットとその友人の3人で共同し、ロンドンのキングズ・ロードにブティック「バザー:BAZAAR」を開店。57年、「バザー」2号店を同じくロンドンのナイトブリッツにオープン。
1959年、画期的なミニスカートを発表。これがストリートを中心に人気となり、後に世界中でブームとなるきっかけを作る。1965年、ミニスカートはハイファッションの世界では、フランスのデザイナー、クレージュにより初めて取り上げられた。ハイファッションでも紹介され、世界中でミニスカートブームが起きる。
BIBA、オジー クラークなどとともに、60年代、スウィンギング・ロンドンを代表するブランドとなった。62年、洋服・下着のデザインでアメリカのJCペニーとライセンス契約を結び、アメリカ市場へ進出。アメリカ以外にも世界中からデザインの依頼が殺到する。63年には、GIMEGER GROUPを設立し、マリーのデザインによる洋服製造、卸業を世界的規模で展開。66年、「マリー クヮント・コスメティックス」を発表し化粧品に進出。70年にはインテリアとテキスタイルのデザインも始める。
72年に、前年に日本で化粧品の販売をスタート。なお日本では83年に「マリークヮントコレクション」としてレオタード、タイツ、ソックスなどの販売が開始された。日本では服よりも化粧品のブランドとして人気が広まる。
2015年、姉妹ブランド「マリークヮント スタジオ(MARY QUANT STUDIO)」がスタート。「自由に、自分らしく。」というテーマとともに、若い世代に向けて、シンプルで使い心地のよいメークアップアイテムを提案している。
2020年、日本上陸50周年を迎える。
2021年、マリークヮントのセカンドブランドとして、メイクアップブランド「デイジードール バイ マリークヮント(DAISY DOLL by MARY QUANT)」がデビュー。ブランド名は、1970年代にマリークヮントが「世界一おしゃれなファッションドール」というキャッチコピーで発売した人形に由来している。「好奇心が私を自由にする」をブランドコンセプトにしており、1.手に取るだけでワクワクするようなキュートなデザイン、2.メイクアップ初心者でも使いこなせるシンプルでわかりやすいアイテムが特徴だ。全国のバラエティショップをメインに展開をスタート。
2023年4月、マリークヮントブランドの創始者であるデイム・マリー・クヮントが逝去。
マリー・クヮント(Mary Quant)は1934年、イギリスのブラックヒースに生まれる。16歳の時、ロンドンの美術学校、ゴールド・スミス・カレッジの絵画科に進学。在学中に、後の夫で最大の支援者になるアレキサンダー・ブランケット・グリーンと出会う。
美術学校の教員資格試験に失敗。ロンドンの帽子店に就職。55年、クヮント、アレキサンダー・ブランケットとその友人の3人で共同し、ロンドンのキングズ・ロードにブティック「バザー:BAZAAR」を開店。57年、「バザー」2号店を同じくロンドンのナイトブリッツにオープン。この年、アレキサンダー・ブランケット・グリーンと結婚。
64年、アメリカ“メゾン ブランシェ レックス アワード(Maison Branche Rex award)”を受賞。66年、“英国王室第4等勲章(OBE)”をエリザベス2世女王より受賞。自伝『クヮント バイ クヮント』を発行。69年、“ロイヤル デザイナー フォー インダストリー(Royal Designer fo industry)”に選ばれる。イギリスファッション委員会より、英国ファッションへの多大な貢献が認められ殿堂入り。
1973年、英米国交200年記念委員会委員就任。1984年、色に関する著書『カラー バイ クヮント(COLOR BY QUANT)』を刊行。1986年、メークアップに関する著書『クヮント オン メイクアップ(QUANT ON MAKEUP)』を刊行。
1991年、ロイヤル・カレッジ・オブ・アーツの名誉会員に。2012年著書『オートバイオグラフィー(Autobiography)』刊行。2015年、英国ファッション界への貢献により、英国王室第2等勲章を叙勲。