特別展「大広重展 ─ 東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界」が、広島県立美術館にて、2021年12月17日(金)から2022年2月6日(日)まで開催される。
浮世絵風景画の名手・歌川広重は、天保4年(1833)頃に連作「東海道五拾三次」を発表して以降、木曽街道や近江八景、京都名所、そして最晩年の傑作「名所江戸百景」まで、各地に生きる人びとの暮らしや自然の移ろいを詩情豊かに描いた。その風景画には、雪月花の趣と人情の機微が大胆かつ繊細に織り込まれている。
特別展「大広重展 ─ 東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界」では、「東海道五拾三次」をはじめとする風景画の名品を中心に、美人画や役者絵、花鳥画、そして同時代の絵師による「雪月花」にちなんだ作品など、約230点の作品を展示。情緒にあふれる広重の世界を紹介する。
江戸と京を結ぶ東海道には53か所の宿場があり、名所も多い道中は大名行列やお伊勢参りなどで賑わいを見せた。本展では、広重の出世作・保永堂版「東海道五拾三次」55点を、晩年の鳥瞰図「東海道名所図会」55点と比較しつつ紹介し、広重の風景画の魅力を探る。
広重は、初期には美人画や役者絵を描いていたが、風景画の人気が高まるなかで「東海道五拾三次」を発表し、それ以後も数多くの風景画を制作。晩年には、近景の極端なクローズアップなどによって遠近感を強調する手法を用いた。会場では、京都を題材にした「京都名所」や風景画の集大成となった「名所江戸百景」など、初期から円熟期、そして晩年に至る広重の風景画を目にすることができる。
また、本展では風景画にとどまらない広重の多彩な作品も紹介。風景画のほかに広重の人気を支えた花鳥画や、「東海道五拾三次」の随所に垣間見られるユーモアを展開させた戯画などを紹介するほか、絵師自身の繊細な色彩感覚や軽やかな筆使いが感じられる肉筆画も展示する。
さらに、広重と同時代を生きた浮世絵師による、雪月花にちなんだ作品も。広重の風景画には雪月花の風情がたびたび取り込まれているが、江戸時代後期の浮世絵では、雪月花はとりわけ美人画の演出において重要な役割を担った。会場では、初代歌川豊国《今様十二ヶ月霜月》などの美人画を展示し、浮世絵と雪月花の関係に光をあてる。
特別展「大広重展 ─ 東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界」
会期:2021年12月17日(金)〜2022年2月6日(日)
会場:広島県立美術館
住所:広島県広島市中区上幟町2-22
開館時間:9:00〜17:00(金曜日は19:00まで)
※12月17日(金)は10:00から
※入場は閉館30分前まで
休館日:12月25日(土)〜1月1日(土・祝)
料金:一般 1,400円、高・大学生 1,000円、小・中学生 700円
※前売り・20名以上の団体は当日料金より200円引き
※学生券を購入・入場の際は学生証を提示のこと
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳の所持者および介助者(1名まで)の当日料金は半額(手帳を提示のこと)
※前売券販売所については美術館ホームページを参照
※開館情報に変更が生じる場合あり(最新情報については美術館ホームページなどを確認のこと)
【問い合わせ先】
広島県立美術館
TEL:082-221-6246