「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展が、東京ステーションギャラリーにて、2021年12月18日(土)から2022年3月27日(日)まで開催。イギリス・大英図書館史上最大の成功を収めた「Harry Potter: A History of Magic」(2017)の国際巡回展であり、日本では兵庫に続く開催となる。
世界的なファンタジー文学「ハリー・ポッター」の世界にフィーチャーした大規模な展覧会が、いよいよ東京ステーションギャラリーで開幕。期間中は、先んじて開催された神戸同様、原作者J.K.ローリングの直筆原稿やスケッチに加え、ハリー・ポッターの世界の底流にある言い伝えや魔法の歴史にまつわる展示を一挙に公開。大英図書館(※)に所蔵される貴重な書籍や資料を用いながら、魅力溢れる゛魔法の世界”を紐解いていく。
■大英図書館について
イギリスの国立図書館である大英図書館(British Library)は、世界で最も優れた研究図書館の一つ。その所蔵品は、学術やビジネス、科学など幅広い分野を包括的に網羅し、世界最大規模の資料へのアクセスを提供している。250年以上をかけて収集されてきたコレクションは1億7000万点に上り、いずれも有史以来のさまざまな時代の文明を代表する資料だ。書籍のみならず、地図や写真、音声データに至るまでが、記録媒体の形態を問わずコレクションとして収蔵・保存されている。
「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展は、ハリーが学んだホグワーツ魔法魔術学校の科目に沿った全10章で構成。作品ファンなら聞き覚えがあるであろう「魔法薬学」「錬金術」「天文学」などをキーワードに、科学が発達していなかった時代の人々が信じた<魔法や魔術の記録>を公開する。
会場内には、魔法・魔術に関する書物や史料とともに、「ハリー・ポッター」の小説の一節を引用したパネル、ホグワーツ魔法魔術学校の教師を描いた肖像のスケッチや、ダイアゴン横丁の構造を描いたスケッチなど、イラスト版「 ハリー・ポッター」を描いたジム・ケイの原画を展示。
また、J.K.ローリングによる設定資料や注釈付き原稿、舞台化された『ハリー・ポッターと呪いの子』の衣装も登場するなど、「ハリー・ポッター」の物語やキャラクター達の紡ぐ世界観と、古くに残されてきた魔術の記録を比較し、交差させながら楽しむことができる。
中でも目玉となるのは、第3章「錬金術」のコーナーだ。「ハリー・ポッター」シリーズ第1作に登場する題材であり、中世ヨーロッパの錬金術師たちがその獲得に奮闘したという“賢者の石”のレシピを記した貴重な巻物『リプリー・スクロール』は、ファン必見の展示物。描かれている人物やドラゴンなどのモチーフが何を表しているの解説とともに、“賢者の石”がいかにして作られていくのかを辿ることが可能だ。
また“最も美麗な錬金術解説書”と呼ばれる書籍『太陽の輝き』や、錬金術師ニコラス・フラメルの伝記に添えられた絵画なども同時に鑑賞することができる。
その他「闇の魔術に対する防衛術」「魔法生物飼育学」「薬草学」「天文学」など、ホグワーツおなじみの魔法科目にちなんだ展示コーナーにも、魔法にまつわる興味深い資料が勢ぞろい。
「闇の魔術に対する防衛術」のコーナーでは、ホグワーツ魔法魔術学校でスネイプやルーピンといった教師たちが生徒に紹介した狼人間や河童、蛇などにまつわる展示が登場。古来より魔法的な動物として見なされてきた“蛇”の形の魔法の杖や、河童のミイラなどが展示される。