聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」が、奈良国立博物館 東・西新館にて2021年4月27日(火)から6月20日(日)まで、東京国立博物館 平成館にて2021年7月13日(火)から9月5日(日)まで開催される。
奈良の法隆寺は、607年、聖徳太子によって創建されたと伝えられる。太子は仏教の真理を追究し、また冠位十二階や憲法十七条などの制度を整えることで、後世に続く日本の文化的基盤を築き上げた。没後、太子に対する尊崇は太子信仰に結実。法隆寺はその信仰の中心となるとともに、建築・美術・文学といった多彩な分野の文化財を今に伝えることとなる。
聖徳太子の1400年遠忌を記念して開催される特別展「聖徳太子と法隆寺」では、法隆寺に伝えられてきた寺宝を中心に展示し、太子の肖像と太子信仰の世界を紹介。日本古代の仏教彫刻を代表する金堂の「薬師如来坐像」を筆頭に、飛鳥時代以来の貴重な文化財を一堂に公開する。
日本に仏教が伝わったのは、聖徳太子の祖父・欽明(きんめい)天皇の時代のこと。やがて太子が政治の中心的役割を担うようになると、仏教は急速に浸透し、607年には「仏法興隆」を推し進める中心地となる法隆寺が創建された。本展では、国宝「灌頂幡」や「天寿国繡帳」(東京会場)など、儀式の場で使用された仏具屋や伎楽面から、法隆寺の装飾“荘厳”を紹介する。
739年、太子が住んだ斑鳩宮(かるがのみや)の跡地に東院伽藍(とういんがらん)が建立された。会場では、そこに納められた宝物から、奈良時代肖像彫刻の傑作とされる国宝「行信僧都坐像」や、洗練された造形感覚が見て取れる国宝「観音菩薩立像」(奈良会場)などを展示し、太子信仰の一端を紹介。また、奈良会場では国宝「聖徳太子絵伝」全10面も一挙公開する。
平安時代になると、聖徳太子を“救世観音(くせかんのん)”の生まれ変わりとみる信仰が生まれ、太子も中心的な信仰対象となる。そうした太子信仰の高まりを背景に制作された代表作が、法隆寺聖霊院(しょうりょういん)の秘仏「聖徳太子および侍者像」だ。本展は、通常は拝観することができない本像を目にすることができる、貴重な機会となる。
法隆寺最初の伽藍は670年に焼失したとされ、その後再建されたのが現在の西院(さいいん)伽藍だ。その金堂は世界最古の木造建築であり、内陣はほとんど創建当時のかたちで伝えられている。また、五重塔は釈迦の遺骨を祀った建築で、内部には釈迦の生涯などを表した塔本塑像(とうほんそぞう)が安置されている。本展では、国宝「薬師如来坐像」や「四天王立像 多聞天」、「塔本塑像」など、金堂と五重塔ゆかりの仏像を展示する。
聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」
■奈良展
会期:2021年4月27日(火)~6月20日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
[前期 4月27日(火)〜5月23日(日) / 後期 5月25日(火)〜6月20日(日)]
会場:奈良国立博物館 東・西新館
住所:奈良市登大路町50番地
■東京展
会期:2021年7月13日(火)~9月5日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
[前期 7月13日(火)〜8月8日(日) / 後期 8月10日(火)〜9月5日(日)]
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
※開館時間、休館日、入館方法などは、確定次第展覧会公式サイトにて告知
※展示作品、会期、展示期間などは変更となる場合あり(最新情報は展覧会公式サイトなどにて確認)
【問い合わせ先】
・奈良展
TEL:050-5542-8600 (ハローダイヤル)
・東京展
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)