2021年に関東で開催されるおすすめ展覧会を特集。東京や神奈川、千葉などの美術館・博物館で予定されている開催スケジュールを一挙紹介する。会期や会場などの開催情報に加え、展示されるアート作品も確認できるので、気になる展覧会をチェックしておこう。
※最新の開館情報については、各美術館・博物館のホームページなどを確認のこと。
東京都美術館の展覧会「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」では、20世紀初頭にファン・ゴッホに魅了され、その世界最大の個人収集家となったヘレーネ・クレラー=ミュラーにフォーカス。「糸杉」シリーズの傑作《夜のプロヴァンスの田舎道》をはじめ、ファン・ゴッホの絵画32点と素描20点を一挙公開するとともに、ルノワールといった近代絵画も展示する。
会期:2021年9月18日(土)〜12月12日(日)
会場:東京都美術館 (東京都台東区上野公園8-36)
東京の三菱一号館美術館にて開催される「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ─ モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」は、イスラエル最大の文化施設であるイスラエル博物館の多彩な所蔵コレクションから印象派・ポスト印象派の作品を、日本初出展作品を含め一挙に紹介する初の展覧会。クロード・モネの“当たり年”ともいえる1907年に描かれた傑作《睡蓮の池》など注目作品が勢揃いする。
会期:2021年10月15日(金)~2022年1月16日(日)
会場:三菱一号館美術館(東京都千代田区丸の内2-6-2)
練馬区立美術館では、絵本作家のピーター・シスを紹介する日本初の展覧会「ピーター・シスの闇と夢」を開催。日本でも多くの作品が翻訳され親しまれてきた数々の絵本の原画や、創作活動の原点である貴重な初期アニメーション作品を中心に、オブジェや創作の手がかりとなる構想メモ、スケッチ、日記など様々な作品や資料約150点が集結する。
会期:2021年9月23日(木)〜11月14日(日)
会場:練馬区立美術館(東京都練馬区貫井1-36-16)
そのほか、東京都内のおすすめ展覧会はこちらから。
アメリカの現代美術を代表する女性アーティスト、ロニ・ホーンは、写真や彫刻をはじめ多岐にわたる表現媒体で、自然と結びつきながらもシンプルで削ぎ落とされた形式に基づく作品を手がけてきた。箱根のポーラ美術館では、国内の美術館におけるホーンの初個展を開催。1980年代から今日にまで至る、約40年間にわたるホーンの活動を紹介する。
会期:2021年9月18日(土)~2022年3月30日(水)
会場:ポーラ美術館 (神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭1285)
ルネ・ラリックは、魚や水鳥などを精緻なガラス工芸で表現するのみならず、かたちを持たない水をも精霊の姿で造形化した。神奈川・箱根ラリック美術館の企画展「ルネ・ラリックの水のかたち」では、ラリックが手がけたジュエリー・ガラス工芸から、そのように“水”にまつわる作品を紹介する。
会期:2021年4月24日(土)〜11月28日(日)
会場:箱根ラリック美術館 (神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186番1)
横須賀美術館にて開催される企画展「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展」は、“子ども”を主役とした浮世絵作品の展覧会。子どもの生活をテーマにした「子ども絵」、母と子の愛情を表現した「母子絵」、昔話や歴史物語などを子ども向けに描いた「子ども物語絵」、そして双六や判じ絵といった当時の子どもたちが遊んだ「おもちゃ絵」などを通して、江戸時代の子どもたちの暮らしを紹介する。
会期:2021年11月20日(土)〜12月26日(日)
会場:横須賀美術館(神奈川県横須賀市鴨居4-1)
DIC川村記念美術館にて開催される企画展「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」は、ドイツのデュッセルドルフに1967年ギャラリーを構えたフィッシャー夫妻のコレクションから、1960年代から70年代のアメリカとヨーロッパにおける、ミニマル・アートとコンセプチュアル・ アートを中心とした作品など約100点を紹介する展覧会。ソル・ルウィットやロバート・ライマンなどの作品や、ミニマル・アート、コンセプチュアル・アートの生成を紐解く資料を紹介する。
会期: 2021年10月9日(土)〜2022年1月10日(月)
会場:DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市坂戸631I
埼玉県立近代美術館・うらわ美術館にて2館同時開催される展覧会「大・タイガー立石展 世界を描きつくせ!」は、絵画やマンガ、絵本など、さまざまなジャンルで創作活動を展開したタイガー立石の大規模個展。“和製ポップ・アート”の先駆的存在として注目されたタイガー立石による500点超の作品、原画、資料が集結。うらわ美術館では“漫画と絵本”をテーマにした展示を行い、埼玉県立近代美術館ではタイガー立石の画業を全体的に回顧し辿っていく。
会期:2021年11月16日(火)〜2022年1月16日(日)
会場:埼玉県立近代美術館(埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1)、うらわ美術館(埼玉県さいたま市浦和区仲町2-5-1 浦和センチュリーシティ― 3階)
佐藤雅晴は、日常風景をビデオカメラで撮影し、パソコン上でペンツールを使用して慎重にトレースする「ロトスコープ」技法により、アニメーションや平面の作品を手がけてきた。茨城・水戸芸術館現代美術ギャラリーの企画展「佐藤雅晴 尾行─存在の不在/不在の存在」では、《Calling》や《東京尾行》、《福島尾行》といった代表作の映像アニメーションに加えて、アクリル画なども展示し、佐藤の活動の全貌を紹介する。
会期:2021年11月13日(土)~2022年1月30日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー (茨城県水戸市五軒町1-6-8)
フランソワ・ポンポンは、20世紀初頭に人気を集めた動物彫刻家だ。なかでも巨大彫刻《シロクマ》でよく知られるが、そのほかにも多彩な動物をモデルに、シンプルでなめらかな造形の彫刻を数多く手がけた。群馬県立館林美術館にて開催される、日本初の回顧展「フランソワ・ポンポン展 ~動物を愛した彫刻家~」では、さまざまな動物彫刻の作品からその制作の全貌を紹介する。
なお、本展は、千葉の佐倉市立美術館にも巡回予定だ。
・群馬県立館林美術館〈予定〉
会期:2021年11月23日(火・祝)〜2022年1月26日(水)
住所:群馬県館林市日向町2003
・佐倉市立美術館〈予定〉
会期:2022年2月3日(木)〜3月29日(火)
住所:千葉県佐倉市新町210