かの有名なオノ・ヨーコ&ジョン・レノンの映像『ベッド・ピース』、愛妻のガラをモデルにしたサルヴァ ドール・ダリの『ポルト・リガトの聖母』、そして鏡張りの展示室には草間彌生の新作インスタレーション『愛が呼んでいる』など、迫力の大作がずらり。『愛が呼んでいる』はLEDライトにより七色に光る水玉柄のにょろにょろが生えるミラールームに入ると、草間彌生本人の声による愛の詩の朗読が聞こえる。
草間彌生
『ありとあらゆるもの』と題された梅沢和木の作品は、会期中に一般公募し、採用された画像をコラージュし更新されるという参加型アート。また福島の復興活動を通して撮影されたChim↑Pomの『気合100連発』、日・英・ウルドゥ語の3か国語で同じメッセージを電飾で綴る、インド人アーティスト、シルバ・グプタの『わたしもあなたの空の下に生きている』など、社会情勢や災害、紛争、ジェンダーの問題、あらゆる時代や社会背景を乗り越えて、世界に広がるダイナミックで力強い愛にあふれた作品が集結している。
また初音ミクの『繋がる愛』の展示ブースは出口付近に設置されており、ミクを介して生まれたネットワーク上に広がる新しいコミュニケーションの形から生まれた絆を、タブレットにか代わる代わる表示されるファンアートや、ソニーによって作られたプロジェクター立体視スクリーンの中で踊る初音ミクなどが展示され、新世代の愛の形を表現している。また同時期に期間限定で52階の展望台には初音ミク仕様のカフェがオープンしているので、合わせてチェックして。
ジャン=ミシェル・オトニエル
また六本木ヒルズの敷地内、毛利庭園の毛利池にはジャン=ミシェル・オトニエルによる『Kin no Kokoro』の野外展示作品も楽しめる。緊迫の連珠で作られたブロンズ彫刻は、正面に回るとハート型であることに気づくだろう。
また今回10周年ということで、開館からこれまでの全ての展覧会のポスターも。過去の展示を思い出しながら見る人も多いのでは。会場の出口に設置されている展覧会オリジナルグッズやカタログの販売コーナーでは、草間彌生の『愛が呼んでいる』記念グッズや、開館10周年記念のアートエディションのティーセット「私の大好きな私」などが用意されている。
経済面、情報の速度の変化に伴い、愛もグローバル化、多様化している現代社会。災害、紛争など困難な面が拭い去れない時代だからこそ、絆や生きる価値を再確認し、生きる価値を見直す時に来ている。「LOVE」をテーマに厳選、凝縮、編成された本展覧会に訪れて、愛の意味と可能性に触れてみて。
■出展作家や開催詳細はこちら
URL:https://www.fashion-press.net/news/5554
【概要】
LOVE展:アートにみる愛のかたち
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53 階
開館時間:10:00 –22:00 |火10:00 –17:00 |*いずれも入館は閉館時間の30 分前まで *会期中無休
入館料:一般1,500 円、学生( 高校・大学生)1,000 円、子供(4 歳-中学生)500 円 *表示料金に消費税込
*本展のチケットで展望台 東京シティビューにも入館可(スカイデッキを除く) *スカイデッキへは別途料金がかかります
お問い合わせ:Tel: 03-5777-8600(ハローダイヤル)