展覧会「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」が、東京国立近代美術館にて、2021年2月23日(火・祝)まで開催される。
「眠り」は、人が生きていくうえで欠かせないのみならず、芸術家たちの創造を触発してきた。目を閉じることに始まる「眠り」とは、他者の視線に身を任せることになる危うさを孕みつつも、他方で自己の内面と静かに向き合うことへも誘ってきたのだ。
「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」は、国立美術館所蔵の多彩なジャンルの作品から、多彩な「眠り」の表現を紹介する展覧会だ。会場では、18世紀から19世紀にかけて活躍したゴヤを導きの糸に、伝統絵画から現代美術まで、アーティスト33人・約120点の作品を展示。夢と現実、生と死、意識と無意識といった相反する概念のあわい、そしてそこに生きる人間の姿を探る。
人は、夢と現実を行き来しつつ生きており、ときに「夢かうつつか」判然としない状態にもなる。ルーベンスの《眠る二人の子供》、そしてゴヤやルドンらの「目を閉じる」表現に始まる本展では、夢や無意識に着目したシュルレアリスムのマックス・エルンストや、饒加恩の映像作品《レム睡眠》などから、夢と現実を裂け目なくつなぐ「眠り」の側面に光をあてる。
眠りは生きるうえで不可欠である一方で、“永眠”という言葉が示すように、死にも喩えられる。塩田千春の《落ちる砂》や内藤礼の《死者のための枕》、そして荒川修作といった現代アーティストの作品からは、死と隣り合わせでありつつも「眠り」がもつ、“生をいとしむ”ニュアンスも見て取れる。
眠りの後には目覚めが訪れる。本展では、写真家ダヤニータ・シンの《ファイル・ルーム》や、現代美術家・河口龍夫らの作品に見られる、“目覚め”にまつわる表現を紹介。さらに、戦後美術を代表する河原温の作品から、眠りと目覚め、生と死の関係性を探る。
展覧会「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」
会期:2020年11月25日(水)〜2021年2月23日(火・祝)
会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜日は20:00まで)
※1月15日(金)より当面のあいだ、金・土曜日の夜間開館は中止し、17:00閉館
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(2021年1月11日(月・祝)は開館)、12月28日(月)〜2021年1月1日(金・祝)、1月12日(火)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、大学生 600円(500円)
※( )内は20名以上の団体料金
※料金はいずれも税込
※高校生以下および18歳未満、障害者手帳の所持者とその付添者(1名)は無料
※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟校の学生、教職員は無料
※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」(4〜2F)、「コレクションによる小企画 男性彫刻」(2F ギャラリー4)も観覧可
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)