展覧会「クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime」が、東京・国立新美術館で2019年6月12日(水)から2019年9月2日(月)まで、長崎県美術館で2019年10月18日(金)から2020年1月5日(日)まで開催される。
「クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime」は、ボルタンスキーの50年に渡る活動の全貌を紹介する、日本では過去最大規模の回顧展。会場には、初期から最新のものまで約46点もの作品を展示予定。「展覧会をひとつの作品のように見せる」と語るボルタンスキー自身がそれら個々の作品を組み合わせ、展覧会場に合わせた1つの大きなインスタレーションとして構成した。
ボルタンスキーの創作活動は、短編フィルムの制作に始まる。後に人が歩んできた歴史や文化人類学への関心を土台とし、写真やドキュメント、ビスケット缶などの日用品を組み合わせることで、自己あるいは他者の記憶に関連する作品を多数制作するようになる。
子どもの肖像写真と電球を祭壇のように組み合わせて展示した「モニュメント」シリーズでは、宗教的なテーマに取り組んだ。それを発展させた《保存室(プーリム祭)》では、骨壺を暗示するブリキ缶が使用されており、ホロコーストの犠牲者を間接的に表現している。
古着で壁を埋め尽くした《保存室(カナダ)》は、存在が消えてしまうこと、そしてその記憶を留めることの必要性を示した作品。床から天井まで隙間なく衣服を吊り下げることで、今は不在となった人間の痕跡を浮かび上がらせた。
ボルタンスキーは、1970年代からドイツ・カッセルのドクメンタやヴェネチア・ビエンナーレなどの国際現代美術展に招待されるなど、世界的に活躍。日本では、1990~91年に名古屋のICA, Nagoyaと水戸芸術館で個展を開催した後、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」などに参加。2016年にも、東京都庭園美術館で個展が開催されている。
特に日本国内の作品であれば、ベネッセアートサイト直島で2008年より実施している「心臓音のアーカイブ」が有名だろう。「心臓音のアーカイブ」とは、世界中の人々の心臓音を恒久的に保存し、それらの心臓音を聴くことができる小さな美術館。自身の心臓音も採録し、美術館に“生きた証”を残すことができる。
【詳細】
クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime
■東京会場
会期:2019年6月12日(水)~9月2日(月) ※毎週火曜日休館
会場:国立新美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は、6月は20:00まで、7・8月は21:00まで
※入場は閉館の30分前まで
観覧料:
・当日
一般 1,600円(税込)、大学生 1,200円(税込)、高校生 800円(税込)
・前売/団体
一般 1,400円、大学生 1,000円(税込)、高校生 600円(税込)
※中学生以下は入場無料
※障害者手帳を持参の人(付添者1名含む)は入場無料
※8月10日(土)~8月12日(月・祝)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)
※前売券は2019年3月16日(土)~6月11日(火)までの販売。ただし、国立新美術館では6月10日(月)まで
※チケットの取扱いは、国立新美術館(開館日のみ)、展覧会ホームページ、チケットぴあ(Pコード:769-630)
※チケット購入に手数料がかかる場合あり
問い合わせ先:03-5777-8600(ハローダイヤル)
■長崎会場
期間:2019年10月18日(金)~2020年1月5日(日)
場所:長崎県美術館
住所:長崎県長崎市出島町2-1
開館時間:10:00~20:00(最終入場19:30) ※1月2日(木)と3日(金)は18:00閉館(最終入場17:30)
休館日:10月28日(月)、11月11日(月)、25日(月)、12月9日(月)、23日(月)、12月29日(日)~2020年1月1日(元日)
観覧料:一般 1,400(1,200)円、大学生・70歳以上 1,100(900)円、高校生以下無料
※( )内は前売りおよび15名以上の団体割引料金。
※障害者手帳保持者および介護者1名までは5割減。
※当日に限り再入場可。
※前売り券の販売は2019年8月中旬~10月17日(木)。
※夜間割引・正月割引:(17:00~20:00)および1月2日(木)・3日(金)(終日)は当日料金から200円引き。(割引併用不可)
問い合わせ先:095-833-2110