植島美術館(UESHIMA MUSEUM)が、東京・渋谷にオープン。2025年3月末まで、オープニング展を開催する。なお、会期は当初2024年12月末までを予定していたものの、延長となった。
“同時代性”をテーマに、国内外の幅広い現代アーティストの作品を擁する個人コレクション「植島コレクション(UESHIMA COLLECTION)」。ゲルハルト・リヒターやアンディ・ウォーホル、オラファー・エリアソン、塩田千春、宮永愛子、名和晃平、奈良美智といったアーティストたちの作品を所蔵している。今回オープンする植島美術館では、「植島コレクション」から選りすぐった作品を一般公開する。
植島美術館のオープニング展では、地下1階から5階までの各フロアにテーマを設定。「絵画における抽象ーその開拓精神」や「女性画家のまなざし」など、それぞれのテーマ沿って、多彩なアーティストの作品を紹介していく。
地下1階のテーマは「絵画における抽象ーその開拓精神」。絵画が時代遅れとされつつあった1970年代に、絵画の新たな世界を提示したベルナール・フリズをはじめ、前衛芸術を牽引したカタリーナ・グロッセ、スペインやドイツで東洋と西洋の異なる精神性を横断しながら創作を行ったイケムラ・レイコなどの作品が展示される。
1階・2階では、「同時代の表現、個の表現世界」というテーマのもと、様々なメディア・手法・国・地域の作品を、個々のアーティストにフォーカスしながら紹介。アイロニカルな視点で日常世界を表現するライアン・ガンダーや、ミニマルアートを代表するダン・フレヴィンのほか、池田亮司にオラファー・エリアソン、塩田千春、タジマミカ、チームラボ、村上隆などの世界を味わうことができる。
3階では、「女性画家のまなざし」と題し、世代の近い日本人女性作家たちそれぞれが捉える風景や、そこから描き出す心象に着目。訪れた土地での出来事や経験を作品に落とし込む津上みゆき、デジタル環境に囲まれた現代社会と自身の日常を織り交ぜた作品を展開する今津景などがピックアップされる。
4階は「変わるもの、消えゆくもの」がテーマ。小さな部屋から世界の広がりを思う憧憬のまなざしとその夢の儚さを表現した、さわひらきの《/home, /home (absence)》からスタートし、ナフタレンの“変化”に着目した宮永愛子の作品や、高温で流体となったガラスが印象的な三嶋りつ恵の作品などが並べられる。
5階では、油画が中心となっていた日本の抽象表現において、アクリル絵具を用いた絵画を探究してきた松本陽子の大型作品を展示。激しいエネルギーと自由な身体性から描き出すユニークな表現に注目だ。
【詳細】
植島美術館
オープン日:2024年6月1日(土)
住所:東京都渋谷区渋谷1-21-18 渋谷教育学園 植島タワー
入館料:一般 1,500円、中学・高校生 1,000円、小学生以下 無料
休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日に休館)
■オープニング展
開催期間:2024年6月1日(土)〜2025年3月末
※会期は当初2024年12月末までを予定していたものの延長
時間:11:00〜17:00(入場は16:00まで)
※来館予約が必要