その奥には、上野公園のお花見をインスピレーションにしたという2つめの空間。ここでは、誰がどういったものをおすそ分けしてくれたのかを記した記録を読むことができ、ひとつのものを通して本来の持ち主の人となりを感じることができる。さらに奥には、来場者が“おすそわけ”するためのボックスを用意。会場にあるものを“おすそわけ”してもらうこともできる他、次回来場時に自分が“おすそわけ”したいものをボックスに入れて持参すれば、チケット代わりになるという。
自らが入り込んで体験する作品だけでなく、写真などから感じられるお弁当のコミュニケーションもある。朝日新聞デジタル&Wで2年間連載された《あゆみ食堂のお弁当》は、「誰々にこんなお弁当を作ってあげたい」という読者のリクエストに応えて、大塩あゆ美がお弁当を創作、平野太呂が撮影し、依頼主にレシピとお弁当箱を届けるというプロジェクト。
また、NHKのテレビ番組「サラメシ」で有名な“お弁当ハンター”の写真家・阿部了がお弁当を黙々と食べる人の姿を映した《ひるけ》は、お弁当を食べる人と作った人との関係性に想いを巡らせたくなる作品だ。
時代や国境を越えた様々なお弁当箱を通じて、食べる目的や状況に合わせてデザインされた"プロダクト"としてのお弁当箱に注目するといった企画も実施。宴など誰かと一緒に食べる共食の場で使われた江戸時代のお弁当箱から、現代日本のひとり分のお弁当箱、そしてアジア、アフリカ、ヨーロッパなど世界のお弁当箱などが並べられる。
会場では、「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」に出品するアーティストが参加するワークショップ・プログラムも開催。なお、2018年8月20日(月)は高校生以下のこどもとその保護者が参加できるキッズデ―と題した無料イベントも用意している。
BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン
会期:2018年7月21日(土)~10月8日(月・祝)
休室日:月曜日、9月18日(火)、9月25日(火)
※ただし8月13日(月)、9月17日(月・祝)、24日(月・休)、10月1日(月)、8日(月・祝)は開室。
時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)、金曜日は20:00まで
※ただし7月27日(金)、8月3日(金)、10日(金)、17日(金)、24日(金)、31日(金)はサマーナイトミュージアムのため21:00まで。
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
住所:東京都台東区上野公園8-36
TEL:03-3823-6921
観覧料:一般800円/大学生・専門学校生400円/65歳以上500円/団体(20名以上)600円
※高校生以下は無料。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳持参者とその付添い1名まで無料。
※毎月第3土曜日と翌日曜日は「家族ふれあいの日」により、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、2名まで)は、一般当日料金の半額。8月15日(水)、9月19日(水)はシルバーデーにより、65歳以上は無料。いずれも証明できるものを持参。
※10月1日(月)は「都民の日」により誰でも無料。
■サマーナイトミュージアム割引
7月27日(金)、8月3日(金)、10日(金)、17日(金)、24日(金)、31日(金)の17:00以降は、一般600円、大学生・専門学校生無料(証明できるものを持参)。
■相互割引
特別展「没後50年 藤田嗣治展」の観覧券(半券可)を本展会場入口で提示すると一般料金から300円引き(1枚につき1名1回限り)。「おべんとう展」の観覧券(半券可)を館内のチケットカウンターで提示すると、「没後50年 藤田嗣治展」の当日券が100円引き(1枚につき1名1回限り)。
特設サイトURL:http://bento.tobikan.jp/