展覧会「横山美術館名品展 明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ」が、神奈川の平塚市美術館にて、2023年10月7日(土)から11月26日(日)まで開催される。

横山美術館の名品が一堂に

明治〜大正時代に日本で制作された陶磁器は、明治政府が推し進める殖産興業・輸出振興政策により、欧米を中心に輸出された。東洋的なモチーフと精緻な技巧による華麗な作品は、海外で高い人気を博してジャポニスムの機運を高めるとともに、のちのアール・ヌーヴォーやアール・デコへと展開する契機ともなった。

神奈川県内では、安政6年(1859年)に横浜が開港すると、横浜で陶器生産が開始。京都から移り住んだ宮川香山(みやがわ こうざん)がこの地で窯を開き、技巧的な陶器「真葛焼(まくずやき)」で人気を集めた。また、素地を産地から取り寄せ、横浜で上絵付を施す工場も数多くでき、輸出港ならではの賑わいを見せている。

展覧会「横山美術館名品展 明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ」では、明治・大正時代に制作された陶磁器の里帰り品を収集する横山美術館のコレクションを紹介。輸出陶磁器の全盛期である明治時代前半、海外に輸出された陶磁器の里帰り品や、アール・ヌーヴォーやアール・デコといった新しい意匠を取り入れた作品など、約140点の名品を展示する。

なかでも、初代宮川香山による技巧を尽くした真葛焼は、当時欧米で高い評価を獲得したもの。たとえば《高浮彫薔薇鳩花瓶》に見られる、鳩やバラといった大胆な彫刻的意匠に、上絵付による絵画的意匠を組み合わせた奇抜なデザインなど、超絶技巧の作品の数々を目にすることができる。

展覧会概要

展覧会「横山美術館名品展 明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ」
会期：2023年10月7日(土)〜11月26日(日)
会場：平塚市美術館
住所：神奈川県平塚市西八幡1-3-3
開館時間：9:30〜17:00(最終入場は16:30まで)
休館日：月曜日(10月9日(月・祝)は開館)、10月10日(火)
観覧料：一般 900(720)円､高大生 500(400)円
※( )内は団体料金
※中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
※各種障がい者手帳の所持者および付添者1名は無料
※65歳以上の平塚市民は無料、市外在住者は団体料金

【問い合わせ先】
平塚市美術館
TEL：0463-35-2111