企画展「デイヴィッド・ホックニー展」が、東京都現代美術館にて、2023年7月15日(土)から11月5日(日)まで開催される。
現代を代表する画家のひとりとして知られる、デイヴィッド・ホックニー。1937年イギリス北部のヨークシャーに生まれたホックニーは、64年にアメリカ・ロサンゼルスに移住し、西海岸の陽光あふれる情景を描いた絵画で注目を集めた。以後、60年以上にわたって、絵画、ドローイング、版画、写真、そして舞台芸術など、多様な表現媒体による作品を手がけている。
企画展「デイヴィッド・ホックニー展」は、日本の美術館で開催される、27年ぶりの大規模個展だ。イギリス各地やロサンゼルスで制作された代表作から、近年の風景画「春の到来」シリーズ、そしてiPadで描かれた全長90mに及ぶ新作まで、120点あまりの作品を一堂に集めて紹介する。
1959年、ロンドンの王立美術学校に入学したホックニーは、抽象表現主義やポップ・アートが欧米の美術界で脚光を浴びるなか、さまざまな様式や作家に学びつつも、特定の動向に与することなく自己の表現を模索。64年にロサンゼルスに移り住むと、南カリフォルニアの開放的な空気のもと、明るい日差しが降り注ぐプールの水面やスプリンクラーの水しぶきを描きだしている。刻々と変化する光の反射や水の動きを捉えるという造形上の試みは、長年にわたってホックニーの関心となった。
また、ホックニーは数多くの肖像画も手がけている。その例として、ふたりの人物を描いた「ダブル・ポートレート」の構図を取った代表作《クラーク夫妻とパーシー》を挙げることができる。本展は、これらをはじめとするホックニーの代表作を目にすることができる機会となる。
1997年以降、ホックニーは幼少期に親しんだヨークシャー東部の自然や風物を抒情豊かに描くようになる。また、2010年にiPadを発売と同時に入手すると、創作面でも刺激を受け、大型の油彩画とiPadドローイングから構成される「春の到来」シリーズを制作している。本展では、同シリーズを日本初公開。幅10m・高さ3.5mに及ぶ油彩画《春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年》とともに、大判サイズのiPad作品12点を展示する。
2019年、フランス北西部のノルマンディーに拠点を移したホックニーは、人里離れた地で周辺の自然や季節の移ろいを真摯に見つめ、全長90mの大作《ノルマンディーの12か月 2020-2021年》を完成させた。会場では、この新作に加えて世界初公開の自画像を展示し、ホックニーの今に光をあてる。
企画展「デイヴィッド・ホックニー展」
会期:2023年7月15日(土)〜11月5日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F・3F
住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
開館時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館)、7月18日(火)、9月19日(火)、10月10日(火)
観覧料:一般 2,300円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,600円、中学・高校生 1,000円、小学生以下 無料
※本展チケットでコレクション展「MOTコレクション」も観覧可
※小学生以下は保護者の同伴が必要
※身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳の所持者および付添者(2名まで)は無料
■同時開催
・企画展「あ、共感とかじゃなくて。」
・コレクション展「MOTコレクション 被膜虚実/特集展示 横尾忠則─水のように/生誕100年 サム・フランシス」
※画像の無断転載を禁ずる。
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)