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牧歌的な絵画を手がけた画家アンドレ・ボーシャンと藤田龍児の展覧会、東京ステーションギャラリーで

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展覧会「牧歌礼讃 / 楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン + 藤田龍児」が、東京ステーションギャラリーにて、2022年4月16日(土)から7月10日(日)まで開催される。

牧歌的で楽園のような作風の絵画を紹介

アンドレ・ボーシャン《川辺の花瓶の花》1946年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)
アンドレ・ボーシャン《川辺の花瓶の花》1946年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)

「牧歌礼讃 / 楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン + 藤田龍児」は、アンドレ・ボーシャンと藤田龍児という、それぞれ20世紀前半のフランスと20世紀後半の日本で活躍した画家を紹介する展覧会だ。

アンドレ・ボーシャン《芸術家たちの聖母》1948年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)
アンドレ・ボーシャン《芸術家たちの聖母》1948年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)

1873年生まれのアンドレ・ボーシャンは、アンリ・ルソー以来のもっとも優れた素朴派の画家といわれる。もともと苗木職人として園芸業を営んでいたものの、第一次世界大戦で徴兵。46歳で除隊したときには農園は破産し、妻はその心労から精神を病んでいた。ボーシャンは妻の世話をしつつ、独学で絵を描くことをスタート、自身が馴染んてきた故郷の風景や、苗木職人として身近に接してきた植物の姿、あるいは幼少期より親しんでいた神話や歴史の人物を、素朴で温かみのある作風で描きだした。

藤田龍児《老木は残った》1985年 北川洋氏蔵
藤田龍児《老木は残った》1985年 北川洋氏蔵

一方で1928年生まれの藤田龍児は、20代の頃から画家として活動をしていたが、48歳の時に脳血栓を発症、翌年の再発で半身不随となって利き腕の自由を失った。いったんは画家の道を諦めるも、懸命なリハビリの末に画家として再起。初期の藤田は抽象性の強い幻想的な作品を手がけていたものの、大病後には一転して親しみやすいのどかな風景を描くようになり、没するまで精力的に作品を制作し続けた。

アンドレ・ボーシャン《窓》1944年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)
アンドレ・ボーシャン《窓》1944年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)

アンドレ・ボーシャンと藤田龍児は、活躍した時代も国も異なるが、その作品には牧歌的な雰囲気が漂い、楽園を彷彿とさせる明るい陽光と豊かな自然が描かれている。しかし彼らは恵まれた環境のなかで制作を行ったのではなく、農園の破産と妻の病気、あるいは大病による半身不随という過酷な状況において、理想郷のような作品を生みだしたのだった。

藤田龍児《静かなる町》1997年 松岡真智子氏蔵
藤田龍児《静かなる町》1997年 松岡真智子氏蔵

本展では、ボーシャンの《川辺の花瓶の花》や《芸術家たちの聖母》、藤田の《老木は残った》や《静かなる町》など、両者の代表作を含む116点の作品を展示し、自然への愛情に満ちた牧歌的な作品の世界を紹介する。

展覧会概要

展覧会「牧歌礼讃 / 楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン + 藤田龍児」
会期:2022年4月16日(土)〜7月10日(日) 会期中に一部展示替えあり
[前期 4月16日(土)~5月29日(日) / 後期 5月31日(火)~7月10日(日)]
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
開館時間: 10:00〜18:00(金曜日は20:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(5月2日(月)、7月4日(月)は開館)
入館料:一般 1,300円、高校・大学生 1,100円、中学生以下 無料
※障がい者手帳などの持参者は100円引き(介添者1名は無料)
※最新情報・チケット購入方法については美術館ウェブサイトにて確認のこと
※開催内容は変更となる場合あり

【問い合わせ先】
東京ステーションギャラリー
TEL:03-3212-2485

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