展覧会「ミロ展─日本を夢みて」が、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて、2022年2月11日(金・祝)から4月17日(日)まで開催される。その後、愛知県美術館、富山県美術館に巡回する。
ジュアン・ミロは、現代スペインの巨匠芸術家として知られているが、その創作活動の裏側には、日本文化への深い造詣があった。一方で日本においては、1930年代からミロの作品が紹介され、1940年には世界に先駆けて批評家・瀧口修造によるミロのモノグラフが出版されるなど、早くからその活動が注目されてきた。
「ミロ展─日本を夢みて」は、ミロと日本のつながりに着目する展覧会。ミロの初期作品や代表作、日本で初めて展示された作品に加えて、アトリエにあった日本の民芸品や瀧口修造との交流を示す資料など、約130点の作品と資料から、ミロを新たな視点から紹介する。
1893年、ジャポニスムが流行するバルセロナに生まれたミロは、早くから日本文化への憧れや興味を示し、浮世絵にも親しんだ。本展では、浮世絵をコラージュした《アンリク・クリストフル・リカルの肖像》や、浮世絵に通ずる風景表現を示す《シウラナ村》など、日本への関心をうかがわせるミロの初期作品を展示する。
バルセロナで気鋭の画家として活動していたミロは、1920年にパリに渡り、独自の表現を模索。一般的な画材ではない素材を使用するなど「素材との対話」を深める一方、絵を「描くこと」と文字を「書くこと」を同じように捉え、「絵画と文字の融合」を追求するようになる。会場には、絵画と文字による表現の代表作である《絵画(カタツムリ、女、花、星)》が56年ぶりに来日するほか、日本の書への関心を垣間見せる《ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子》も展示される。
「素材との対話」と「絵画と文字の融合」という2つの関心は、第二次世界大戦後、ミロの制作活動に新たな展開をもたらすこととなる。たとえば、陶器制作。ミロは、日本文化に造詣が深い陶芸家ジュゼップ・リュレンス・イ・アルティガスとともに熱心に陶器を手がけるようになる。本展では、ミロとアルティガスの共同作業から生まれた陶器4点が出品される。
また、1966年、ミロは初めて来日。それ以降、ミロの作品には、書道の滲みや跳ねの動きを感じる黒く太い線描が多用されるようになる。会場では、黒い大胆な線描を特徴とする《絵画》や、巻物の形態をとった作品など、日本の書画の影響を見て取れる作品を目にすることができる。
展覧会「ミロ展─日本を夢みて」
会期:2022年2月11日(金・祝)〜4月17日(日)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 B1F
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜日は21:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:2月15日(火)、3月22日(火)
観覧料:一般 1,800円(1,600円)、大学・高校生 1,000円(800円)、中学・小学生 700円(500円)、未就学児 無料
※( )内は前売料金
※学生券を購入の際には、学生証を提示のこと(小学生のぞく)
※障がい者手帳の提示で、本人と付添者1名は半額(当日窓口にて購入)
※チケット情報詳細は、後日美術館ホームページにて告知
※会期や開館時間などは変更となる可能性あり
※入場制限や一部日程で入場日時予約が必要となる場合あり(来館時には、美術館ホームページにて最新情報を確認のこと)
■巡回情報
・愛知県美術館
会期:2022年4月29日(金・祝)〜7月3日(日)
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2
・富山県美術館
会期:2022年7月16日(土)〜9月4日(日)
住所:富山県富山市木場町3-20
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)