企画展「禅寺の学問 ─継承される五山文学/相国寺の歴史と寺宝II」が、京都の相国寺承天閣美術館にて、2021年11月23日(火・祝)から2022年1月23日(日)まで開催される。
古代インドで誕生した仏教の教えは、中国を経て日本に伝えられた。その教えを学ぶために多くの禅僧が大陸に渡り、禅のみならず大陸文化を日本にもたらした。そのため、禅僧は漢詩文に優れ、漢籍の教師としても天皇家や公家と交流したのだった。
京都五山第二位の寺格を有する相国寺は、中世から漢詩文などに優れた禅僧を多く輩出し、五山文学の中心地となった。内典(ないてん=仏典)のみならず外典(げてん=漢籍)も数多く有した禅僧は、時代の権力者や、藤原惺窩(ふじわらせいか)ら近世の儒学者とも深く交流した。その活躍は、文芸面にとどまらず、外交文書の作成といった政治的な実務にも及んでいた。
本展では、相国寺や塔頭寺院に伝わる寺宝を通して、禅寺に継承されてきた知の体系を紹介。禅僧が何を学んだのかに着目しつつ、「一山一寧墨蹟」(重要文化財)といった典籍をはじめ、美術工芸品や歴史資料などを展示する。
また、相国寺の歴史を通観する展示「相国寺の歴史と寺宝」第2弾もあわせて開催。初公開となる「對馬以酊眺望之図」をはじめ、第1弾とはすべて異なる寺宝を展示する。
なかでも、「十牛頌」(重要文化財)と「十牛図」全場面を一挙公開。「十牛頌」とは、本来の自己を牛に喩え、禅の修行過程を10段階で表現したものであり、修行僧の進むべき道をわかりやすく説いている。会場では、「十牛頌」と、この10段階を絵画化した「十牛図」のすべての場面を目にすることができる。
企画展「禅寺の学問 ─継承される五山文学/相国寺の歴史と寺宝II」
会期:2021年11月23日(火・祝)〜2022年1月23日(日)
会場:相国寺承天閣美術館
住所:京都府京都市上京区今出川通烏丸東入ル
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:2021年12月27日(月)〜2022年1月5日(水)
拝観料:一般 800円、65歳以上・大学生 600円、中高生 300円、小学生 200円
※一般に限り、20名以上は団体割引で各700円
【問い合わせ先】
相国寺承天閣美術館
TEL:075-241-0423