展覧会「開館5周年記念 九州洋画II:大地の力 ─Black Spirytus」が、福岡の久留米市美術館にて、2021年9月18日(土)から12月12日(日)まで開催される。
明治時代、黎明期にあった洋画界を先導したのは、黒田清輝や藤島武二ら九州出身の画家であった。そのため、九州における油彩画の展開は、日本の美術史と重ね合わせて考えられてきた。その一方、福岡の八女で制作を続けた坂本繁二郎をはじめ、あえて地域にこだわり、その地に固有の風土や文化を宿した作品を手がける画家も存在した。
展覧会「開館5周年記念 九州洋画II:大地の力 ─Black Spirytus」では、豊かで力強い九州における洋画の系譜に着目。たとえば、黒田らの洋画家が距離を置いた色である褐色や黒、そしてざらざらとした土の触感をヒントとして、大地のエネルギーを感じさせる洋画作品を、明治から現代まで紹介する。
本展は、明治から昭和の洋画壇で重要な役割を果たした、黒田清輝らの代表作を紹介するプロローグに始まり、5つの章から構成。第1章では、地理的・歴史的に周辺から多彩な影響を受けてきた九州の文化的土壌に焦点を合わせて、青木繁《輪転》や田部光子《魚族の怒り》など、神話性・宗教性を帯びたイメージを紹介する。
第2章では、地方画壇の形成に着目し、坂本繁二郎や坂本善三といった画家の作品を展示。一方、労働や生活がもたらす“手ざわり”の視覚的表現を紹介する第3章では、池田龍雄《腕》や海老原喜之助《燃える》など、日々の暮らしを支える人の手や、幾たびと立ち上がり、踏みしめる大地をテーマとした作品を目にすることができる。
第4章では、記憶に刻まれた風景をテーマに、牛島憲之《山の駅》や田淵安一《蝕と大地》などを展示。そして第5章では、過去の想いを受け継ぎつつ紡がれる新しい物語に着目し、古賀春江《厳しき伝統》や田中千智《古墳の中で眠る人》といった作品を紹介する。
展覧会「開館5周年記念 九州洋画II:大地の力 ─Black Spirytus」
会期:2021年9月18日(土)〜12月12日(日)
会場:久留米市美術館
住所:福岡県久留米市野中町1015(石橋文化センター内)
休館日:月曜日(9月20日(月・祝)は開館)
開館時間:10:00〜17:00(10月2日(土)・3日(日)は18:00まで)
※入館は閉館30分前まで
入館料:一般 1,000円(800円)、シニア(65歳以上) 700円(500円)、大学生 500円(300円)、高校生以下 無料
※( )内は15名以上の団体料金
※障害者は手帳の提示により、本人と介護者1名は一般料金の半額
※11月3日(水・文化の日)と11月19日(金・開館記念日)は入館無料
※前売券(600円)あり
※石橋正二郎記念館も観覧可
※佐賀県立美術館の特別展「白馬、翔びたつ─黒田清輝と岡田三郎助─」(9月7日(火)〜10月17日(日))の チケット半券の持参により団体料金で観覧可
※開催情報に変更が生じた場合は、美術館ホームページ、フェイスブック、 ツイッターなどにより告知
【問い合わせ先】
久留米市美術館
TEL:0942-39-1131