特別展「チョコレート 至高の名を与えられしもの」が、金沢21世紀美術館にて、2023年10月28日(土)から11月3日(金・祝)まで開催される。
ひがし茶屋街など、多くの町屋カフェや老舗和菓子屋が点在する金沢。茶の湯や和菓子を好むイメージが強いが、チョコレートの消費においては全国トップクラスを誇る街でもある。近年は、特色のあるチョコレート作りに取り組む若手のショコラティエが活躍するなど、金沢の食文化にさらなる厚みを加えている。
「チョコレート 至高の名を与えられしもの」は、「ショコラの街・金沢」にてチョコレートの魅力を余すことなく伝える展覧会。会場では、チョコレートにまつわる現代美術作品や、“チョコレート的な”要素を掛け合わせ、チョコレートに見立てることができる工芸作品など、杉本博司や中村卓夫、原嶋亮輔らの作品を展示する。
また、チョコレートを素材に独自の技術で造形に取り組むショコラティエ、ステファン・ルルーの作品も初公開されるなど、創造性溢れるチョコレート作品を見ることができる。
チョコレートの素となるカカオの原産地は、中南米の高地つまり紀元前グァテマラに栄えていたマヤ、さらには現在のメキシコにあたるアステカに遡り、その土地でのチョコレートは、貨幣としての価値も持つまでになった。
その後、大航海時代の17世紀頃、スペインを介してヨーロッパにもたらされたカカオは、宮廷から上流階級を中心に、嗜好品あるいは滋養飲料として徐々に広まっていく。カカオに砂糖、ニッキ、バニラなどを混ぜ「この上なきもの(nec plus ultra)」となった「チョコレート」は、上流階級だけでなく市民階級にまで普及、また近代化に伴い大衆化し、世界中の人々から愛されるものとなった。
本展では、そんなカカオの通った道のりを国内に残る稀覯本や資料によって紹介。人々がカカオを受容した歴史と文化を紐解いていく。稀覯本など資料は、主に国内有数の菓子・チョコレートの資料を持つ前田重兵衛のコレクションから展示される。
金沢21世紀美術館特別展「チョコレート 至高の名を与えられしもの」
会期:2023年10月28日(土)~11月3日(金・祝)
会場:金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
開場時間:10:00~18:00
観覧料:無料
<参加アーティスト / デザイナー>
杉本博司、ヴィック・ムニーズ、中村卓夫、ステファン・ルルー、オットー・キュンツリ、ミリー・スティーヴンス、原嶋亮輔、八木夕菜、五月女晴佳、大村大悟、狩野佑真、御菓子丸、東京香堂
【問い合わせ先】
金沢21世紀美術館
TEL:076-220-2800