金沢の国立工芸館では、所蔵作品展「反復と偶然展」を、2024年12月17日(火)から2025年2月24日(月・振)まで開催する。
同じパターンを繰り返す「反復」と、人為を超えた「偶然」。展覧会「反復と偶然展」では、工芸やデザインを特徴付ける「反復」と「偶然」というふたつの性質に着目し、国立工芸館の所蔵作品約130点を紹介する。
編んだり織ったりという同じ動きの繰り返しで造形されたものや、幾何学模様や型染などの同じパターンを連続させた作品は、東洋でも西洋でも、さまざまな工芸やデザインに見出すことができる。こうした規則性は、空間的な広がりや心地よいリズムを感じさせるものだ。本展の序盤では、「反復」というキーワードのもと、中川衛の《象嵌朧銀花器「チェックと市松」》などを展示する。
工芸に使われる自然素材は、木目や節の具合など、ひとつとして同じものがない。また、陶芸の制作工程における火力や温湿度、力の加減、歪みなどに見るように、人が制御しきれない要素は、工芸作品の特徴となる。会場では、人為を超えた力を感じさせる「偶然」に光を当てつつ、小川待子の《Untitled》や藤田喬平《流動 流》といった作品を紹介する。
工芸やデザインでは、「反復」と「偶然」の両方の要素を組み合わせ、作品を作っている。デザインに偶然の要素を取り入れたり、規則的な模様に変則的な部分を交えたりすることで、表現の幅が広がるのだ。会場の終盤では、小松誠《Crinkle Series スーパーバッグ K1、K2、K3》など、「反復」と「偶然」という真逆の要素を融合した作品に着目する。
さらに、工芸とデザインの違いも考察。職人の技術から生まれる一品制作の工芸と、均一な品質の製品を量産するデザインは、一見すると対照的なあり方に思える。本展では、「反復」と「偶然」という視点から、工芸とデザインのあいだの共通点や差異を浮かびあがらせる。
所蔵作品展「反復と偶然展」
会期:2024年12月17日(火)〜2025年2月24日(月・振)
会場:国立工芸館
住所:石川県金沢市出羽町3-2
開館時間:9:30〜17:30(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(1月13日(月・祝)、2月24日(月・振)は開館)、12月28日(土)~1月1日(水・祝)、1月14日(火)
観覧料:一般 300円(250円)、大学生 150円(70円)
※( )内は20名以上の団体料金および割引料金
※高校生以下・18歳未満、65歳以上、障害者手帳の所持者および付添者1名などは無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)