特別展「レトロ・モダン・おしゃれ 杉浦非水の世界」が、愛知・名古屋のヤマザキマザック美術館にて、2023年10月27日(金)から2024年2月25日(日)まで開催される。
日本のグラフィックデザインの先駆者、杉浦非水(すぎうら ひすい)。1876年に生まれた非水は、アール・ヌーヴォーなどさまざまな影響を受けつつ、特徴を的確に捉える観察眼と、時に繊細、時に大胆な作風を駆使し、三越をはじめ、カルピス、ヤマサ醤油など、数々のデザインを手がけたのだった。
特別展「レトロ・モダン・おしゃれ 杉浦非水の世界」は、非水の足跡と彼が生きた時代を多面的に紹介する展覧会。ポスターから書籍、雑誌、広告や商標、パッケージ、そして写生を重んじた非水が制作した木版画集『非水百花譜』まで、約240点の作品を分野別に展観する。
非水がその活動のなかでとりわけ長く携わったのが、三越のデザインだ。1908年に入社して以来、34年に退社するまで、ポスターや広報誌『みつこしタイムス』『三越』などのデザインを手がけ、最新流行の上質な品々を取り揃える三越のブランドイメージの定着に貢献したのだった。本展では、69冊の三越広報誌を、前期・後期にわけて紹介する。
非水はデザインを本業としつつ、制作の基礎として写生に重きを置いていた。非水が原画を手がけた木版画集『非水百花譜』は、そうした写生の力量を示すものであり、丁寧な描写と繊細な色彩で表現された花々には、植物図鑑を思わせる正確さのみならず、花それぞれが持つ情緒や可憐さ、力強さを見てとることができる。会場では、『非水百花譜』から、45点を前期・後期にわけて展示する。
本展では、非水が手がけたポスターや広告などのデザインにとどまらず、『三越』の表紙デザインを模様に使った長襦袢、非水のヨーロッパ日記や滞欧日記、そして非水のポスターに描かれた女性を彷彿とさせるレセプション・ドレスやシャネルのデイ・スーツなども展示。なかでも長襦袢は、非水のデザインが着物に活かされた、貴重な作例である。
特別展「レトロ・モダン・おしゃれ 杉浦非水の世界」
会期:2023年10月27日(金)〜2024年2月25日(日) 会期中に展示替えあり
会場:ヤマザキマザック美術館 4階展示室
住所:愛知県名古屋市東区葵1-19-30
開館時間:平日 10:00〜17:30 / 土日祝 10:00〜17:00
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(1月8日(月・祝)、2月12日(月・休)は開館)、12月29日(金)〜1月4日(木)、1月9日(火)、2月13日(火)
入館料;一般 1,300円、小学・中学・高校生 500円、小学生未満 無料
※10名以上は各1,100円
※音声ガイド無料サービス
【問い合わせ先】
ヤマザキマザック美術館
TEL:052-937-3737