企画展「万博と仏教 ─オリエンタリズムか、それとも祈りか─」が、大阪の髙島屋史料館にて、2023年8月5日(土)から12月25日(月)まで開催される。
いち早く近代化を果たした欧米の列強諸国は、産業振興や国力誇示のため、万国博覧会(万博)を幾たびと開催してきた。日本もまた、近代化を推し進めた明治時代以降、欧米諸国に比肩すべく万博に参加している。企画展「万博と仏教 ─オリエンタリズムか、それとも祈りか─」では、日本が万博に出展してきた、仏教に関連する造形物に光をあててゆく。
仏教にまつわるイメージは、一方で、西洋のオリエンタリズムを内面化して用いたものであると捉えることができる。たとえば、明治政府として万博に初めて公式参加した1873年のウィーン万博では、《鎌倉大仏頭部の張子》や《五重塔の模型》が展示された。また、1893年のシカゴ万博で建設された《平等院鳳凰堂外観を模した日本館》に見るように、仏教のイメージは展示物のみならずパビリオン外観そのものにも表れている。
他方、仏教のイメージは、信仰の側面をも有している。1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)は、アジア初の万博であり、仏教を信仰する人びとが多数訪れる初の万博となった。そのため、欧米での万博とは異なり、仏教にまつわる展示物は信仰を象徴するものとして受け止められたのだった。
このように、オリエンタリズムと祈りという2つの視点に着目する本展では、万博に出展された仏教にまつわる展示物を外観しつつ、近代における仏教イメージの受容、そしてその変遷を紹介する。
企画展「万博と仏教 ─オリエンタリズムか、それとも祈りか─」
会期:2023年8月5日(土)〜12月25日(月)
会場:髙島屋史料館 企画展示室
住所:大阪府大阪市浪速区日本橋3-5-25 髙島屋東別館 3F
休館日:火・水曜日
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
入館料;無料
【問い合わせ先】
髙島屋史料館
TEL:06-6632-9102