特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」が2022年7月9日(土)から9月19日(月・祝)まで名古屋市科学館で開催される。
古代から魔よけやお守り、地位や立場を示すシンボルとして世界中で使用されてきた“宝石”。現在では、宝飾品として広く親しまれている。特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」には、世界各地の博物館が所有する宝石やアルビオン アート・コレクション、ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)やギメル(Gimel)などのジュエリーが集結。多種多様な宝石の魅力を科学的・文化的な切り口から紹介していく。
宝石は、カットされた美しい完成品として採掘されるわけではなく、その生い立ちによって様々な形状や大きさで産出する。第1章「原石の誕生」では、地球内部でつくられる宝石の元“原石(ラフ)”にフォーカス。宝石の原石はそもそもどのようにして誕生するのかについて科学的視点から解説する。
原石から輝きや彩りなど、宝石としての特性を最大限に引き出すための工程を総称したものを「カット」という。原石の大きさや品質に劣らないほどの宝石の評価を左右する重要な工程だ。第2章「原石から宝石へ」では、原石の採掘からカットの加工技術までを紹介する。
第3章「宝石の特性と多様性」では、宝石の価値の基準にもなる「輝き」「煌めき」「彩り」「強さ」といった性質の説明を交えながら宝石を展示。ラフ(原石)とルース(磨いた石)を中心に、200種を超える宝石を取り揃える。ダイヤモンドやサファイア、ルビーなどの有名な宝石から、フォスフォフィライトやブラックダイヤモンドなどのレアストーンも多数紹介。宝石の要件の1つである“美しいこと”の要素について科学的に解説する。
「仕立て」とは、輝く宝石のルースを更に美しくするために行う宝石のセットのこと。この「仕立て」の技術に着目する第4章「ジュエリーの技巧」では、宝石を貴金属にセッティングする石留めの方法など職人の技術を紹介。フランス・パリに本店を構えるハイジュエリーメゾン「ヴァン クリーフ&アーペル」や、日本ならではの繊細なデザインで有名な、兵庫・芦屋発のジュエリーブランド「ギメル」の逸品を通して、「仕立て」の技術の粋に触れることができる。
第5章「宝石の極み」に並ぶのは、世界的な宝飾コレクションを誇るアルビオン アートの特別協力により集結した珠玉の芸術品約60点。古代のメソポタミアやエジプトで作られた作品から20世紀の最先端のジュエリーまで多彩な宝石が揃う。
また、個人コレクターの橋本貫志が国立西洋美術館に寄贈した800点余りの宝飾品コレクションから、宝石がセットされた指輪約200点を展示。「指輪」のカテゴリーに特化して古今東西から集めた貴重な作品を、間近で見ることができる。
さらに会場では、特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」限定のスペシャルグッズも多数用意。展覧会で展示される鉱物を琥珀糖で表現した「こうぶつヲカシ」のお菓子や、本物の宝石を総柄にしたリバティプリントの巾着が販売される。