企画展「モダン・プリンツ コレクションにみる世界の版画」が、和歌山県立近代美術館にて、2022年6月26日(日)まで開催される。
企画展「モダン・プリンツ コレクションにみる世界の版画」は、和歌山県立近代美術館の20世紀西洋版画コレクションを中心に、近代の版画作品を紹介する展覧会だ。
版画は、図や文字といったイメージの複製技術を用いた表現媒体であり、現在では技術の発達と解釈の多様化により、多岐にわたる表現が展開されている。版画の技術自体の歴史は古く、日本には仏教の伝来とともにもたらされ、西洋においてもキリスト教の布教を通して浸透した。
しかし、版画が複製的なメディアの役割を超えて、その表現が美術のなかに位置付けられるようになったのは、近代以降のこと。したがって、本展タイトルにある「モダン・プリンツ」とは近代版画を意味するとともに、美術作品としての版画自体を指すものだといえる。
版画は、近代美術の展開において大きな役割を担ってきた。それは、版を制作してそれを印刷する版画表現がそれ自体オリジナルと複製の問題を孕んでおり、複製技術の発展に伴い、既存の美術概念に対して多彩な問題を提起してきたためであった。じっさい、近代美術史を代表する多くの美術家が、版画制作を手がけている。
本展では、日本の近代版画にも影響を与えたエドヴァルド・ムンク、西洋が日本の版画と出会った時代を代表するエミール・オルリクやその周辺の作家、アンリ・マティスが晩年に新たな表現として手がけた切り絵のステンシル作品、そしてアメリカの戦後美術を支えた版画工房と画家の共同作業など、近代版画の多彩な側面に光をあて、版画を通して近代の意味を考察する。
企画展「モダン・プリンツ コレクションにみる世界の版画」
会期:2022年4月9日(土)〜6月26日(日)
※5月23日(月)に一部展示替えを実施
会場:和歌山県立近代美術館 2階展示室
住所:和歌山県和歌山市吹上1-4-14
開館時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 520円(410円)、大学生 300円(260円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下、65歳以上、障害者、県内に在学中の外国人留学生は無料
※毎月第4土曜日(4月23日、5月28日、6月25日)は、「紀陽文化財団の日」として大学生無料
※毎月第1日曜日(5月1日、6月5日は全館無料)
【問い合わせ先】
和歌山県立近代美術館
TEL:073-436-8690