企画展「石ノウエ二描ク 石版画と作り手たちの物語」が、和歌山県立近代美術館にて、2023年4月22日(土)から7月2日(日)まで開催される。
企画展「石ノウエ二描ク 石版画と作り手たちの物語」は、版画のひとつであるリトグラフに着目する展覧会だ。和歌山県立近代美術館の所蔵作品を中心に、東西の版画作品を、リトグラフの歴史とともに紹介する。
版画は、凸版、凹版、孔版、平版に大別され、リトグラフはそのうち平版の1種類である。凸版や凹版では彫るなどして版に凹凸を作り、孔版では版に孔を開けて原版とする一方、リトグラフでは版面が平らなまま、水と油が互いに弾きあう性質を用いて版を作っている。
18世紀末にドイツ・ミュンヘンで発明され、ヨーロッパに普及したリトグラフは、当初、楽譜や地図といった実用的な印刷物に用いられていたものの、19世紀には、画家たちがこの技術を用いて版画作品を制作するようになる。リトグラフは、ほかの版画技法とは異なり、彫師の手を経ずに制作することができるため、画家は手描きの繊細なタッチや、水彩画のように柔らかなにじみなど、豊かな表現を追求することができるのであった。
一方、日本にリトグラフ印刷機がもたらされたのは、1860年のこと。明治時代に入ると、欧米から迎えられた指導者のもと、リトグラフによる実用印刷物が制作されて普及し、版画作品も手がけられることに。その後、美術学校などで教えられるようになると、国内外で活躍する石版画家が現れるようになった。
本展では、ヨーロッパや日本のリトグラフ作品を紹介。オディロン・ルドンやアンリ・ファンタン=ラトゥール、パウル・クレーなどの作品に加えて、織田一磨の「東京風景」や「大阪風景」などを目にすることができる。
企画展「石ノウエ二描ク 石版画と作り手たちの物語」
会期:2023年4月22日(土)〜7月2日(日)
会場:和歌山県立近代美術館 2階展示室
住所:和歌山県和歌山市吹上1-4-14
開館時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日
観覧料: 一般 520円(410円)、大学生 300円(260円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下、65歳以上、障害者、県内に在学中の外国人留学生は無料
※第1日曜日(5月7日、6月4日、7月2日)は無料
※第4土曜日(4月22日、5月27日、6月24日)は「紀陽文化財団の日」として大学生無料
【問い合わせ先】
和歌山県立近代美術館
TEL:073-436-8690