伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」が、2022年2月8日(火)から3月21日(月・祝)まで、福岡の九州国立博物館にて開催される。先んじて東京でも開催された、巡回展となる。
特別展「最澄と天台宗のすべて」は、平安時代のはじめに伝教大師最澄によって広められた“天台宗”に焦点を当てた展覧会。日本各地で守り伝えられてきた仏像、仏画などの宝物や、天台宗の精神をあらわす文化財を通して、比叡山・延暦寺における天台宗の始まりから、東京・上野の東叡山寛永寺を創建し幕府と強固な繋がりを得た江戸時代に至るまでの歴史を紹介する。
九州は、かつて多くの僧侶が大陸を目指した出発地点。最澄も他の僧侶たちと同じく、渡唐前に九州に滞在して航海の無事を祈り、帰国後にも神仏への謝恩のため九州を再訪した。また、最澄以後も多くの天台僧が巡礼している。本展では、そのように巡礼の出発地であった九州ならではの展示として、天台僧の巡礼の旅と西日本における天台宗の発展を約120件の宝物によって紹介。天台密教と山岳信仰が結びついた独自の信仰形態を物語る「太郎天及び二童子立像」などを展示する。
また、貴重な重要文化財や国宝の数々にも注目だ。織田信長による比叡山焼き討ちで難を逃れたと伝えられ、京都西郊の長法寺に伝来した国宝「釈迦金棺出現図」は釈迦の再生説法をテーマにして描かれた作品で、天台宗最盛期を飾るもっとも優れた作品のひとつとして名高い。
加えて、素地仕上げの表面や、左手で未敷蓮華をとり右手で花弁を開こうとする佇まいが12世紀当時の規範となった重要文化財「聖観音菩薩立像」、九州各地を巡歴したのちに兵庫県・書写山に圓教寺を開いた僧・性空の像である「性空上人坐像」なども展示する。
会場には、最澄が創建した比叡山延暦寺の総本堂「根本中堂」の一部を再現。「根本中堂」内陣の中央には最澄自作と伝える秘仏薬師如来像と、最澄が灯して以来消えたことのない「不滅の法灯」が安置されており、それぞれが参拝者と同じ高さに位置するという、仏堂としては極めて珍しい構造が特徴だ。誰もが仏になれるという法華経の精神を体現した「根本中堂」の独特な空間を体感することができる。
【詳細】
伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」
会期:2022年2月8日(火)~3月21日(月・祝)
会場:九州国立博物館
住所:福岡県太宰府市石坂4-7-2
観覧料:一般 1,900円(1,700円)、高大生 1,200円(1,000円)、小中生800円(600円)
※( )内は前売料金。
※上記料金で九州国立博物館4階「文化交流展(平常展)」も観覧可能。
※障がい者等とその介護者1名は無料。展示室入口にて障害者手帳などを提示。
※大学生以下は展示室入口にて学生証や生徒手帳を提示。
※本展では券売所での混雑を避けるため、キャンパスメンバーズ券以外の各種会員制度やクーポン等による各種割引の取り扱いはなし。
※事前予約は不要。会場の混雑状況によっては入場待ちとなる場合あり。
※会期中の電子チケット、オンラインチケットは当日料金での販売。購入の際にプレイガイドによって各種手数料が発生する場合あり。
【問い合わせ先】
TEL:050-5542-8600(ハローダイヤル)
※9:00~20:00/年中無休