静嘉堂文庫美術館では、静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展I「響きあう名宝─曜変・琳派のかがやき─」を、2022年10月1日(土)から12月18日(日)まで開催する。
国内屈指の東洋古美術・古典籍のコレクションを誇る静嘉堂文庫美術館。その展示ギャラリーが、丸の内の明治生命館に移転オープンすることを記念して開催される展覧会「響きあう名宝─曜変・琳派のかがやき─」では、《曜変天目(稲葉天目)》をはじめ静嘉堂が所蔵する国宝7件を筆頭に、琳派や中国美術の名品を一挙公開する。
本展では、静嘉堂が所蔵する国宝7件をすべて公開(7件すべて揃うのは前期展示)。とりわけ《曜変天目(稲葉天目)》は、満天の星を散りばめた夜空のように神秘的な輝きが現れた陶磁器だ。曜変天目の完品は世界で3碗のみが存在しており、そのなかでも静嘉堂が所蔵するものは、青く美しい光彩を放つ、もっとも華やかな至宝である。そのほか会場では、俵屋宗達筆《源氏物語関屋澪標図屏風》や手掻包永(てがい かねなが)《太刀 銘 包永》なども目にすることができる。
静嘉堂コレクションの名品は、言うまでもなく国宝のみにとどまらない。本展で展示される唐物茄子茶入の《付藻茄子》と《松本(紹鷗)茄子》は、信長・秀吉・家康に伝来した大名物。これらは1615年大坂夏の陣で大破したものの、その破片を集めて、塗師の名工である藤重藤元(ふじしげ とうげん)・藤巌(とうがん)父子によって漆繕いされて、今日の姿がある。会場では最新のX線CT画像の結果もあわせて紹介し、約400年前の漆繕いの超絶技巧に光をあてる。
中国美術コレクションは、静嘉堂の根幹をなすものであり、昔から評価の高いいわば「正統派」の作品から構成されている。本展では、前期には宋から元の、後期には明から清時代の書画・工芸品を紹介。宋〜元時代の作品では、南宋時代を代表する画家・馬遠筆の伝承を持つ《風雨山水図》(国宝)や画僧・牧谿(もっけい)の《羅漢図》(重要文化財)などの絵画に加えて、陶磁器と漆芸の逸品、宋版の貴重書を展示する。
一方、明〜清時代の作品では、日本画壇に大きな影響を与えた沈南蘋(しんなんぴん)の画幅や余崧(よすう)筆《百花図巻》など、江戸時代以来、日本で高く評価されてきた名品を公開。さらに、景徳鎮官窯の精巧な陶磁器、漆芸品、そして煎茶道具など、日本の人びとが憧れ続けた中国美術の粋にもふれられるだろう。
静嘉堂コレクションの日本美術では、本展では琳派に着目。俵屋宗達の《源氏物語関屋澪標図屏風》(国宝)を筆頭に、尾形光琳の《住之江蒔絵硯箱》(重要文化財)、酒井抱一の《波図屏風》、鈴木其一の《雪月花三美人図》などを展示し、華やかな琳派の流れをたどってゆく。
静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展I「響きあう名宝─曜変・琳派のかがやき─」
会期:2022年10月1日(土)〜12月18日(日) 会期中に展示替えあり
[前期 10月1日(土)〜11月6日(日) / 後期 11月10日(木)〜12月18日(日)]
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館 1階
開館時間:10:00〜17:00(金曜日は10:00〜18:00)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜(10月10日(月・祝)は開館)、10月11日(火)、11月8日(火)、11月9日(水)
入館料:一般 1,500円、大学・専門学校・高校生 1,000円、中学生以下 無料
【問い合わせ先】
TEL:050- 5541-8600 (ハローダイヤル)