特別展「『東海道五十三次』で旅気分 —富士に琳派に若冲も—」が、神奈川・箱根の岡田美術館にて、2024年6月9日(日)から12月8日(日)まで開催される。
特別展「『東海道五十三次』で旅気分 —富士に琳派に若冲も—」は、歌川広重の出生作となった「東海道五十三次」(保永堂版)を中心に、江戸から京都までにちなんだ江戸美術の作品を紹介する展覧会。京都の絵師・伊藤若冲や円山応挙、富士山を描いた絵画の名品など、約30件もあわせて目にすることができる。
保永堂版の「東海道五十三次」は、広重が生涯に20種以上手がけた東海道シリーズの第1作。東海道の53の宿場に、出発地の江戸・日本橋、到着地の京都・三条大橋を加えた55図の風景版画から構成されている。本展では全55枚を、前期・後期にわけて公開する。
「東海道五十三次」全55図のうち、《箱根 湖水図》や《原 朝之富士》など、7図に富士山が描かれている。これらの作品に加えて、長さ約9mにおよぶ横山大観の傑作《霊峰一文字》などを展示し、崇敬を集めてきた富士山の表現に光をあてる。
「東海道五十三次」には、古くから親しまれてきた名所旧跡ばかりでなく、各地の名産品も描かれている。たとえば、《鳴海 名物有松絞》には、有松の絞り染め「鳴海絞」が並ぶ店の前を、人々が通行する様子が描かれている。本展では、「東海道五十三次」のガイドブックとしての性格に着目し、当時人気を集めた理由を探ってゆく。
また、本展とともに、特集展示「源氏物語の世界」も開催。平安時代中期に紫式部が著した『源氏物語』は、さまざまなかたちで絵画化されてきた。特に江戸時代には、『源氏物語』が公家や武家のみならず庶民にまで浸透したことを背景に、さまざまな美術作品が制作されている。会場では、狩野邦信の《源氏物語図屏風》など、『源氏物語』にゆかりのある絵画・工芸作品を紹介する。
特別展「『東海道五十三次』で旅気分 —富士に琳派に若冲も—」
会期:2024年6月9日(日)〜12月8日(日) 会期中無休
[前期 6月9日(日)~9月12日(木) / 後期 9月13日(金)~12月8日(日)]
会場:岡田美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般・大学生 2,800円(2,550円)、小学・中学・高校生 1,800円(1,550円)
※( )内は前売料金(主要コンビニエンスストアおよびチケットぴあにて販売)
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【問い合わせ先】
岡田美術館
TEL:0460-87-3931