2010年10月20日、アトウ(ato)が2011S/Sシーズンコレクションを発表した。
今期のテーマは、「若者とSCHOOL、SPORTS」。デザイナーの松本与氏が、疲弊した現在の世の中に生きる人々は、フォーマルなデザインより、リラックスしたスタイルを求めていると感じたことから設定されたものだという。
コレクションでは、アメリカのプレップスクールの学生達を彷彿とさせるスクールプリントのトップス等、リラックス感のあるスウェット素材を用いながらも、エッジの効いたカッティングにatoらしいスタイリッシュさを感じさせるアイテムが多数展開された。特に印象的だったのは、サイドを大きく開いたデザインのスウェット素材のベスト。これらのアイテムは、ノースリーブで展開され、着る者へレイアードのコーディネートを考える楽しみを与えている。
また、本コレクションでは、「若者とSCHOOL、SPORTS」とは別のラインで展開された美しいフォルムのテーラードのアイテムも目を引いた。atoの魅力が際立つ立体的なフォルムのこれらのアイテムには、パラシュートのベルトの様なパーツやフリンジが施され、美しいシルエットに遊び心のあるアクセントを加えていた。
ショー終了後のインタビューで、コレクションのテーマ設定に関して問われると、松本氏は「私は、アーティストでなくデザイナー。コレクションのテーマは、自分がやりたいものではなく、受け手が求めるものをどうしたら提供できるかを考えて設定する。」と語り、自身の服作りへの揺るぎ無いスタンスを覗かせた。