展覧会「ミロ展」が、東京都美術館にて、2025年3月1日(土)から7月6日(日)まで開催される。
20世紀を代表する美術家のひとり、ジュアン・ミロ。スペイン・カタルーニャのバルセロナに生まれたミロは、太陽や星、月など、自然のモチーフを象徴的な形に変えて描いた、詩情あふれる作品で知られており、90歳でこの世を去るまで新たな表現を試み続けた。
「ミロ展」は、70年におよぶミロの創作活動を紹介する大回顧展。第二次世界大戦の戦火を逃れつつ描かれた傑作「星座」シリーズの3点を筆頭に、絵画や陶芸、彫刻など、初期から晩年にいたる各時期の名品を世界中から集めて公開する。
1893年バルセロナに生まれ、画家としての道を歩み始めたミロは、1920年、初めてフランス・パリに出ると、シュルレアリスムの画家や詩人と交流するようになる。以後、故郷カタルーニャでシュルレアリスムに影響を受けた表現を確立し、パリでシュルレアリスムの画家として知られていった。本展の前半では、カタルーニャで描いた初期の名作《ヤシの木のある家》に加えて、《オランダの室内I》といった1920年代の作品を目にすることができる。
1936年にスペイン内戦、1939年に第二次世界大戦が勃発すると、ミロはアトリエを転々としつつ制作を続けていった。不穏な現実から逃れるかのように、この時期のミロの作品は、自身の内面を探るかのような私的なものへと変化している。会場の中盤では、《絵画(カタツムリ、女、花、星)》や《夜の女》など、1930年代から戦後にかけての作品を紹介する。
とりわけ、ミロの傑作とされる「星座」シリーズは、1940〜41年にかけて、戦火を逃れつつ制作された作品。夜や音楽、星を着想源に、簡略化された線で描かれた同シリーズには、夜空を思わせる世界に女性や鳥、星などが描かれている。本展では、世界中に所蔵される23点の「星座」シリーズのうち、《明けの明星》、《女と鳥》、《カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち》の3点を一堂に集めて公開する。
戦後、ミロはアメリカで高く評価され、世界中で個展が開催されるなど、巨匠としての地位を確立した。1960年代には、アメリカの若い芸術家たちに触発され、より大画面の作品を制作するほか、伝統的な絵画技法に抗った手法を取り入れるなど、1983年にこの世を去るまで自身の表現を更新していった。会場の終盤では、描いたカンヴァスにガソリンを染みこませ、火を放った作品のひとつ《焼かれたカンヴァス2》をはじめ、絵画の本質を追求し続けた晩年の作品を展示する。
「ミロ展」
会期:2025年3月1日(土)〜7月6日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8-36
開室時間:9:30〜17:30(金曜日は20:00閉室)
※入室は閉室30分前まで
休室日:月曜日(4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開室)、5月7日(水)
観覧料:一般 2,300円、大学生・専門学校生 1,300円、65歳以上 1,600円、18歳以下・高校生以下 無料
※土・日曜日および祝日は日時指定予約を推奨(当日の空きがあれば入場可)、平日は日時指定予約不要(詳細については展覧会公式サイトを参照)
※身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳の所持者および付添者(1名まで)は無料
※各種手帳の所持者および付添者(1名まで)、18歳以下・高校生以下は、日時指定予約不要
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:050-5541-8600