2025年に開幕される「大阪・関西万博」に合わせ、「大阪博」が、大阪市立美術館・大阪市立自然史博物館・大阪市立東洋陶磁美術館・大阪市立科学館・大阪歴史博物館・大阪中之島美術館の6館で開催される。
大阪は、古代から中近世を経て現代に至るまで、“都市”として栄え続け、人々が遺した多種多様な文化遺産が収集されてきた。大阪の博物館や美術館では、大阪で育まれた文化遺産の所蔵に加え、数々の収集家から託された貴重なコレクションを大切に守り続けている。「大阪博」は、そんな“大阪の宝”に特化した展覧会。先人たちが収集&継承してきた貴重な品々を公開することで、さらなる大阪の魅力を体感できることが見どころだ。
会場となるのは、大阪市内の博物館や美術館、合わせて6館に加え、web上での展示会も行う。全館の収蔵品を合わせれば200万点以上にものぼるが、今回は中でも特に、収集に関わった先人や継承の歴史を通じて、それらを育んできた都市・大阪の魅力を体感できるような収蔵品に焦点を当てた。各館で、“大阪の宝”となる代表品を20点ずつ選定している。
なお、実際に「大阪博」で展示する展示品や展示時期などの詳細は未定。今後発表される追加情報に注目だ。
日本や中国の絵画、彫刻などを収蔵する「大阪市立美術館」は、《石造 菩薩交脚像龕》を選定。中国・南北朝時代の北魏5世紀に彫られた歴史ある石造で、精巧で美しい彫刻技術が施された作品だ。「大阪市立美術館」は、2022年秋より、大規模改修工事に伴い長期休館中。2025年春にリニューアルオープン予定だ。
「大阪市立自然史博物館」は、恐竜アロサウルスの巨大な復元骨格を選定。自然や生き物の世界に着目した展示を行っている博物館だ。
また「大阪市立東洋陶磁美術館」は、国宝に指定されている《油滴天目 茶碗》を選定。12~13世紀の中国、南宋時代に作られた貴重な茶碗だ。日本陶磁や東洋陶磁の収集を豊富に行う「大阪市立東洋陶磁美術館」は現在改修工事中で、2024年春にリニューアルオープン予定となる。
“宇宙とエネルギー”をテーマに掲げる「大阪市立科学館」は、《カールツアイスⅡ型プラネタリウム》を選定。世界中で3基しか現存しない貴重なプラネタリウムで、大阪市指定文化財、日本天文遺産となっている。現在は改装工事中で、2024年夏にリニューアルオープン予定だ。
「大阪歴史博物館」では、《朝鮮通信使御楼船図屏風》を選定。江戸時代に日本へ派遣された「朝鮮通信使」に関する記録で、ユネスコの「世界の記憶」に登録されている。
さらに「大阪中之島美術館」では、大阪府出身の画家・佐伯祐三が1928年に発表した絵画《郵便配達夫》を選定している。
「大阪博」
開催時期:2025年
※公式サイト上での展覧会も実施。
各館所在地:
■大阪市立美術館
住所:大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82
※大規模改修工事中、2025年春にリニューアルオープン
■大阪市立自然史博物館
住所:大阪府大阪市東住吉区長居公園1-23
■大阪市立東洋陶磁美術館
住所:大阪市北区中之島1-1-26
※エントランス・施設改修工事中、2024年春にリニューアルオープン
■大阪市立科学館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-1
※改装工事中、2024年夏にリニューアルオープン
■大阪歴史博物館
住所:大阪府大阪市中央区大手前4-1-32
■大阪中之島美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1