『ブラック・ジャック』史上最大規模の展覧会「手塚治虫 ブラック・ジャック展」が、六本木ヒルズ・東京シティビューにて、2023年10月6日(金)から11月6日(月)まで開催される。その後、美術館「えき」KYOTOに巡回する。
手塚治虫の代表作『ブラック・ジャック』は、1973年11月から1983年10月まで、少年マンガ誌「週刊少年チャンピオン」に掲載された作品。
無免許医でありながら天才的な外科技術を持ち、不可能と言われる手術をもこなすブラック・ジャックと、彼が創造した“18歳で0歳”の女の子ピノコたちが繰り広げる物語は、数多くのテーマから紡ぎ出される。
人間や生きものの命とそれを救う医療、人としての生きざま、そもそも医療は何のためにあるのかといった根本的な問いまで、物語に込められたテーマやメッセージは、今なお人々の心に感銘を与え、現在第一線で活躍する医療従事者の多くに影響を与えたと言われている作品でもある。
『ブラック・ジャック』連載50周年を記念した展覧会「手塚治虫 ブラック・ジャック展」では、マンガ『ブラック・ジャック』を通して、誕生秘話から作品に込められた手塚治虫の深いヒューマニズム、医療のリアルな描写まで、作品の魅力を多面的に紹介。『ブラック・ジャック』を深く知る人だけでなく、初めて知る世代など国内外すべての人が楽しめる展覧会となっている。
展示は、エントランス、第1室から第4室までで構成。たとえば第2室「B・J誕生秘話」では、手塚治虫が『ブラック・ジャック』を生み出すに至る背景を当時の資料と共に紐解いていく。“マンガの神様”と称された手塚治虫の『新寳島』や『鉄腕アトム』の作品資料に加え、医大時代の資料など手塚治虫と医療の深い関わりが分かる貴重な資料もあわせて展示される。
また会場では、500点以上の原稿に加え、連載当時の『週刊少年チャンピオン』や、1970年代に発行された単行本、200以上のエピソードの直筆原稿を展示。中でも第3室「B・J曼荼羅」の展示室は、『ブラック・ジャック』の約140話の原稿が並ぶ圧巻の空間に。高額請求の謎や、動物のいのちを扱った作品など、主要なテーマごとに各原稿を紹介する。
展覧会の締めくくりとなる第4室「B・J蘇生」では、『ブラック・ジャック』の魅力を“今”と“当時”の視点から探っていく。連載当時、読者が驚き惹きつけられた“人体の手術シーン”を現代アート的な視点から鑑賞できる展示や、多くの医療従事者にも影響を与えたことから、医療の側面から鑑みるコーナーなども用意する。
また、ブラック・ジャックとピノコが過ごしたお馴染みの家を再現した「ブラック・ジャック邸」や、ブラック・ジャック、ピノコ、ドクター・キリコ、如月恵、本間丈太郎などのキャラクターたちと自由に写真撮影ができるフォトスポットも登場。「ブラック・ジャック邸」では、ブラック・ジャックになりきりオペシーン風の撮影ができるのもポイントだ。
展覧会会場限定のオリジナルグッズも、展示とあわせてチェックしたい。ピノコの色々な表情をあしらったプリントマシュマロや、ブラック・ジャックの名シーンをあしらった大判ハンカチ、ピノコの“アッチョンブリケ”ポーズを刺繍で配したキャップなど、ファン必見のグッズが揃う。