大阪の国立国際美術館では、コレクション展「コレクション1 遠い場所/近い場所」を、2022年6月25日(土)から8月7日(日)まで開催する。
「コレクション1 遠い場所/近い場所」では、2年以上にわたって続く行動や移動が制限された生活において、人びとの視野を広げてくれるような作品を、国立国際美術館のコレクションから紹介。東欧やロシアに関連する作家の作品と、新収蔵品を中心とする沖縄出身の作家の作品を、それぞれ小特集として紹介する。
東欧からロシアにかけての地域は、第二次世界大戦、アメリカとソ連の冷戦、そしてソ連崩壊といった大きな変化に翻弄され、不安定な情勢にあった。本展では、そうしたなかでもなお生みだされてきた芸術に着目。ウクライナ出身、ベルリンを拠点に活動するボリス・ミハイロフによる、故郷であるハルキウやベルリンで撮影した写真から構成されるシリーズをはじめ、ポーランドを代表する作家のひとりであり、強制収容から生還した経験をもつユゼフ・シャイナ、ユダヤのルーツをもつクリスチャン・ボルタンスキー、 そしてロシア出身のイリヤ・カバコフなどが手がけた作品を紹介する。
また、本展では、本土復帰後の沖縄に生まれた3人の作家、石川竜一、山城知佳子、ミヤギフトシの作品を紹介。石川竜一は、2015年に木村伊兵衛写真賞を受賞した気鋭の写真家であり、自身が生まれ育った沖縄に生きる人びとを鮮烈に捉えたポートレート写真群を手がけてきた。一方で山城知佳子は、2000年代より映像や写真を用いた表現で高い評価を得ており、とりわけ初期作品においては、自らが被写体となり、自身の身体で沖縄の歴史や風土を受け止める作品を制作している。
さらにミヤギフトシは、美術作家としてばかりでなく、近年は小説家としても活躍。その映像作品《The Ocean View Resort》では、アメリカから故郷・沖縄へ戻った主人公と幼馴染のYの会話を中心に、戦争の記憶を響かせつつ、日本とアメリカ、沖縄の複雑な関係、そして同性の友人への淡い恋心を複層的かつ文学的に展開している。本展では、石川、山城、ミヤギの3人が沖縄の現実をどのように捉え、そしてそれを作品を通じてどのように表現しているのかを探ってゆく。
コレクション展「コレクション1 遠い場所/近い場所」
会期:2022年6月25日(土)〜8月7日(日)
会期:国立国際美術館 地下2階展示室
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日(7月18日(月・祝)は開館)、7月19日(火)
観覧料:一般 430円(220円)、大学生 130円(70円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下・18歳未満・65歳以上、心身障がい者およびその付添者1名は無料(要証明)
※夜間割引料金(金・土曜日の17:00〜20:00):一般 250円、大学生 70円
※無料観覧日:6月25日(土)、7月2日(土)、8月6日(土)
※会期や開館時間などは変更となる場合あり(最新情報については美術館サイトなどを確認のこと)
■出品作家
竹川宣彰、ミロスワフ・バウカ、イリヤ・カバコフ、クリスチャン・ボルタンスキー、ボリス・ミハイロフ、ユゼフ・シャイナ、アーグネシュ・セープファルヴィ/チャバ・ネメシュ、石川竜一、山城知佳子、ミヤギフトシ、エミリー・カーメ・ウングワレー、松本陽子、坂本夏子、イサム・ノグチ、青木野枝、戸谷成雄、北辻良央、カリン・ザンダー、マーク・マンダース、須田悦弘、アレクサンダー・コールダー、ジョアン・ミロ、ヘンリー・ムア、高松次郎
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【問い合わせ先】
国立国際美術館
TEL:06-6447-4680 (代表)