特別展「パッケージで時間旅行 記念・観光たばこの世界」が、たばこと塩の博物館にて、2022年7月3日(日)まで開催される。
日本ではかつて、国や地方の行事などにちなんだ記念たばこや、全国各地の観光地や祭りなどを紹介する観光たばこが販売されていた。これらのたばこのパッケージは、その時代に起こった出来事や、日本のさまざまな風景を今に伝えるものでもある。特別展「パッケージで時間旅行 記念・観光たばこの世界」では、記念・観光たばこのパッケージを中心に、関連するポスターや写真などもあわせて紹介する。
記念たばことは、記念行事などの際にパッケージに特別なデザインを施し、期間限定で販売されたたばこだ。1915年(大正4)、大正天皇即位式を記念して発売された「八千代」に始まり、太平洋戦争期の中断を挟んで1993年度に廃止されるまで、国家行事や博覧会、オリンピックなどに合わせて展開された。特別な銘柄として発売されることも、一般販売銘柄のデザインを記念用に変えることもあり、そのデザインは、著名な画家、デザイナーやイラストレーターが多く手がけている点も特徴である。
本展では、御大典記念「八千代」や第一次世界大戦終熄記念「ピース」、東京オリンピック記念、東海道新幹線開通記念など、戦前・戦後の記念たばこを展示。たばこのパッケージの数々からは、日本の歩みもたどることができそうだ。
一方で観光たばこは、全国各地の観光地や祭りを一般販売銘柄にデザインして販売していたたばこであり、1967年度から1993年度まで展開された。その背景には、当時、観光旅行が盛んになったことや、地方における税収確保の目的がある。
当初は、記念たばこのデザインを踏襲し、イラストレーションを用いて土地ごとの特色を表していたものの、1970年頃からはカラー写真が使用されるようになり、旅行の土産やコレクションアイテムとしても人気を博した。会場では、茨城県の偕楽園梅まつりや、徳島県の阿波踊りなど、多彩な観光たばこを目にすることができる。
特別展「パッケージで時間旅行 記念・観光たばこの世界」
会期:2022年5月28日(土)~7月3日(日)
会場:たばこと塩の博物館 2階特別展示室
住所:東京都墨田区横川1-16-3
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日
入館料:大人・大学生 100円、満65歳以上(要証明書) 50円、小学生・中学生・高校生 50円
【問い合わせ先】
たばこと塩の博物館
TEL:03-3622-8801