コトハヨコザワ(kotohayokozawa)の2023年春夏コレクションが、東陽町・ホテルイースト21東京で発表された。タイトルは「NOTHING TOOOO MUCH」。
ホテルイースト21東京のガーデンプールにて、約3年ぶりにショーを開催したコトハヨコザワ。プールに浮かんだ、恐竜やブタなどの大小さまざまな形をした風船が、どこか心躍るパーティー気分を思わせる。
「何のシーズンの括りもなく、新作発表でもなく、なんでもないくせに今までで一番盛大なお祝いをしてみたい。」デザイナー・横澤琴葉のそんな想いからスタートした今回のショーは、その言葉通り“新作発表をしない”特異なコレクションだ。ルックには、これまでに横澤が手掛けてきたありとあらゆるアイテムが登場。スタイリングには、高校生の時に夏休みの課題で作ったTシャツまで用いられているという。
コレクションの主役となるのは、コトハヨコザワを象徴するアイテムである、細かいプリーツにメロウ加工を施したトップス。布をパッチワークのように繋いだり、様々な形に分解して張り付けたり、はたまた、大きくくりぬいてみたり…。自由な発想で、どれ一つとして同じデザインにならないよう個性的な表情を引き出しているのが面白い。
遊び心の光るレイヤードスタイルにも注目。たとえば、ロング丈のベロアパンツには、透け感のあるショートパンツを重ね、長短・異素材同士の新鮮なレイヤードを実現。また、トップスを極端にめくり、中のインナーを上から重ねるといった、“インとアウトが交差”するようなスタイリングも散見された。
今回目を引いたのは、ウエスト周りのユニークなディテールデザイン。サイドに大胆なカッティングが施され、下着を“あえて見せている”デニムがその好例だ。ほかにも、ウエスト部分を5重にも重ねたものや、外に折ったもの、実際のウエストの倍以上のゆとりをもたせたものなど、多種多様なデザインでリズムを生み出している。
ユニークなデザインといえば、随所に用いられていた“だまし絵”の手法も印象的だった。グレーのニットトップスは、着用するとまるで素肌にクロップドトップスを纏ったかのような涼し気なデザインに変身。デニムパンツも、ボタンやベルトループ部に“デニム風”のプリントをあしらうことで、錯覚を引き起こさせている。