企画展「ジャポニスム─世界を魅了した浮世絵」が、千葉市美術館にて、2022年1月12日(水)から3月6日(日)まで開催される。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、多くの日本の美術工芸品が西洋に渡り、西洋の美意識に大きな影響を及ぼした。それは単なる異国趣味にとどまらず、造形表現にも大きな変化を引き起こし、「ジャポニスム」という動向を生みだした。なかでも、浮世絵版画は西洋の美術家に直接的な影響を与えている。
企画展「ジャポニスム─世界を魅了した浮世絵」では、浮世絵の名品を中心に、欧米やロシアのジャポニスム作品を加えた約220点の作品を展示。ジャポニスムの画家が浮世絵から自らの作品に取り入れた視点を起点として、浮世絵の特徴と魅力を紹介する。
日本の浮世絵版画は、フランスを中心にヨーロッパ全域、そして北米やロシアの芸術にも影響を及ぼした。本展では、欧米のみならず、これまで日本では本格的に取り上げられることのなかったロシアのジャポニスムにも着目。多彩な視点から、ジャポニスムが世界へと広がる様子を紹介する。
会場では、葛飾北斎や歌川広重、鈴木春信、鳥居清長といった絵師による浮世絵とともに、ファン・ゴッホやトゥールーズ=ロートレック、ホイッスラーらによるジャポニスムの名品を一挙紹介。従来の多くの展覧会に見られるようにジャポニスムを西洋美術史から捉えるのではなく、ジャポニスムの造形表現に大きな影響を与えた浮世絵の構図や視点、色彩といった多角的なテーマからジャポニスムを再検証するとともに、浮世絵がもつ魅力に改めて光をあててゆく。
世界でもっとも有名な浮世絵だといえる葛飾北斎の《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》は、西洋の芸術活動に大きなインパクトを与えたばかりでなく、北斎以降の浮世絵師が波を重要なモチーフとして扱うようになる契機となるものでもあった。本展では、北斎の作品を起点として、イワン・ビリービン《アレクサンダー・プーシキン 著『サルタン王物語』挿絵》など、国内外に展開した波の表現を目にすることができる。
企画展「ジャポニスム─世界を魅了した浮世絵」
会期:2022年1月12日(水)〜3月6日(日) 会期中、2月7日(月)に展示替えを実施
会場:千葉市美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場受付は閉館30分前まで
休館日:2月7日(月)
観覧料:一般 1,500円(1,200円)、大学生 800円(640円)、小学生・中学生・高校生 無料
※障害者手帳の所持者と介護者1名は無料
※( )内は前売および市内在住65歳以上の料金
※前売券は、千葉市美術館ミュージアムショップ、ローソンチケット(Lコード 35562)、セブンイレブン(セブンチケット)、千葉都市モノレール「千葉みなと駅」「千葉駅」「都賀駅」「千城台駅」の窓口にて、1月11日(火)まで販売
※ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料半額
※本展チケットで5階常設展示室「千葉市美術館コレクション選」も観覧可
※内容やイベントは変更となる場合あり(最新の状況は美術館ホームページを確認のこと)
【問い合わせ先】
千葉市美術館
TEL:043-221-2311 (代表)