企画展「美男におわす」が、島根県立石見美術館にて2022年1月24日(月)まで開催される。先んじて埼玉でも開催された巡回展となる。
企画展「美男におわす」は、人びとの理想を投影した様々な男性像を、「美男画」として紹介。美しい女性を描く「美人画」が人気を博す一方で、今までは特段カテゴライズされてこなかった“美少年”や“美青年”の多彩なイメージを、浮世絵や日本画、彫刻、マンガ、写真など、江戸時代から現代に至るまでの日本の視覚文化の中で辿っていく。
会場には、“美男”をモチーフにした江戸時代の浮世絵や近代日本画など、様々な時代に描かれた作品が一堂に集結。例えば、美人画を得意とした江戸時代の浮世絵師・鈴木春信や喜多川歌麿は、美人を描くかたわらで美男を題材にした作品も手掛けている。その他にも、年若い男子が踊る姿や宴席に侍る姿など、時に性愛の対象ともなった若衆の美しさを描いた江戸時代の絵画が多数残されている。
また、源義経、平敦盛、森蘭丸など“美男”として語り継がれている歴史上の人物を描いた、日本画家の安田靱彦、菊池契月、松岡映丘らによる人物画の数々は近代日本画の名作に数えられる。高畠華宵は、《主税の奮戦》において赤穂浪士の1人である大石主税を躍動感とともに描き出している。幕末から明治にかけて闘う男たちをドラマチックに表現した歌川国芳や月岡芳年の作品も展示される。
加えて、現代における“美男”の表現も紹介。竹宮惠子『風と木の詩』、山岸涼子『日出処の天子』、魔夜峰央『パタリロ!』などの名作少女マンガにおける美男のイメージや、日本画の伝統的手法を駆使して男性美を表現する木村了子、西洋の古典的モチーフを駆使してファンタジーな世界を描く唐仁原希、幻想的かつ華やかな画面構成で少年少女を描く川井徳寛といった新進気鋭の作家たちが描く多様な“美男”にも注目だ。
【詳細】
企画展「美男におわす」
会期:2021年11月27日(土)~2022年1月24日(月) ※会期中に展示替えあり
前期 11月27日(土)~12月20日(月)/後期 12月22日(水)~1月24日(月)
会場:島根県立石見美術館
住所:島根県益田市有明町5-15
TEL:0856-31-1860(グラントワ代表)
開館時間:9:30~18:00(入館は18:00まで)
休館日:毎週火曜日、12月28日~1月2日は休館
観覧料:
・〈企画展〉一般 1,000(800)円、大学生 600(450)円、小中高生 300(250)円
・〈企画・コレクション展セット〉一般 1,150(920)円、大学生 700(530)円、小中高生 300(250)円
※( )内は、20名以上の団体料金