企画展「相国寺展—金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史」が、愛知県美術館にて、2024年10月11日(金)から11月27日(水)まで開催される。
京都の相国寺(しょうこくじ)は、室町幕府の三代将軍・足利義満により創建された寺院だ。禅宗のひとつである臨済宗相国寺派の大本山であり、金閣寺、銀閣寺の通称で知られる鹿苑寺、慈照寺を擁している。
相国寺はまた、時代を通じて、数多くの芸術家を育んできた。たとえば、室町水墨画の巨匠・雪舟(せっしゅう)は、若き頃に相国寺で過ごしたという。また、江戸狩野派の祖である狩野探幽(かのう たんゆう)は、江戸時代の相国寺文化に深く関わった。さらに、奇想の絵師として知られる伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)なども、相国寺とのゆかりを持っている。
相国寺、鹿苑寺や慈照寺に伝わる美術品は、現在、相国寺境内の承天閣美術館で公開されている。その開館40周年に合わせて開催される企画展「相国寺展—金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史」では、45件以上の国宝や重要文化財を含む、相国寺派の名品を公開する。
15世紀の相国寺では、相国寺文化圏とでも呼べる文化の営みが展開されている。室町幕府の御用絵師であったとされる相国寺の画僧、如拙(じょせつ)と周文(しゅうぶん)が室町水墨画の様式を確立し、彼らを師と仰いだという雪舟は、のちに室町水墨画の巨匠となった。本展では、伝周文《十牛図巻》や雪舟の重要文化財《毘沙門天像》など、中世の相国寺文化圏の豊かさにふれることができる。
近世の相国寺の文化を代表する絵師のひとりが、伊藤若冲だ。京都で活躍した若冲は、狩野派や中国の古画などを学び、独自の花鳥画を手がけている。会場では、重要文化財《鹿苑寺大書院障壁画 二之間襖絵 松鶴図》や《竹虎図》といった若冲の作品を展示する。
相国寺承天閣美術館開館40周年記念
企画展「相国寺展—金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史」
会期:2024年10月11日(金)~11月27日(水) 会期中に一部展示替えあり
[前期 10月11日(金)~11月4日(月・振) / 後期 11月6日(水)~11月27日(水)]
会場:愛知県美術館
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター 10F
開館時間:10:00〜18:00(金曜日は20:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(10月14日(月・祝)、11月4日(月・振)、11月25日(月)は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)
観覧料:⼀般 1,800円(1,600円)、⾼校・⼤学⽣ 1,000円(800円)、中学⽣以下 無料
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※前売券は、8月1日(木)から10月10日(木)まで販売
※⾝体障害者⼿帳、精神障害者保健福祉⼿帳、療育⼿帳(愛護⼿帳)、特定医療費受給者証(指定難病)の提示者は、各券種の半額で観覧可。また、付添者は、「第1種」ないし「1級」の各種⼿帳、特定医療費受給者証(指定難病)の場合、いずれも1名まで各券種の半額で観覧可
※上記料金で本展会期中にかぎりコレクション展も観覧可
【問い合わせ先】
愛知県美術館(代表)
TEL:052-971-5511