ミヤオ(MIYAO)の2017年秋冬コレクションは、「optimistic=楽観的」がテーマ。「明るくポジティブで賢い」そんな女性像から導かれたのは、南米からインスパイアされたエスニックテイストだ。
デザイナー・宮尾史郎の解釈するエスニックとは、コレクション全体に取り入れられた直線的で大きなフォルム。フワフワと空気をはらんだようなビッグシルエットのスカートやコート、チュールによるバルーンシルエットで体をすっぽりと包み込んでしまうドレスを生み出した。トップスは袖にポイントを置き、ベルスリーブやパフスリーブ、大量にフリルをあしらったデザインが見受けられる。
「ピッタリではなく大きなサイズ感で、服が体に自然と馴んでくるようなデザインを目指している」という彼の哲学を存分に感じられるだろう。
フラワーモチーフを好んで取り入れるミヤオ。今季コレクションを彩ったのはブルーのグラデーションが美しい「パンジー」の刺繍だ。くすんだブルーやホワイトシャツの首周りに華麗に咲いている。さらに花は、ブラックコートのポケット部分やドレスに同系色でさりげなく取り入れられた。
肩紐にビニール素材を使用した、スリップドレスやタンクトップもユニークな一着。過去に発表した人気アイテムが新型となって、今季登場している。
視線を上げると気づくのは、全ての着こなしに取り入れられたシルクハット。インパクトのあるこのアクセサリーは、ボリビアなど南米の一部で女性が被るものだ。三つ編みのヘアスタイルとこのハットの組み合わせは、現地でもよく見かけるスタイル。今シーズンはミヤオ流の“モードなエスニックスタイル”が出来上がった。