2011年11月23日(水・祝)、六本木アカデミーヒルズで「六本木アートカレッジ~アートってこういうことだったのか」が開催された。この講座では人々の生活を豊かにするものを「アート」であると捉え、ファッション、食文化、デザイン、そして生き方に至るまで幅広いトピックをグローバルに活躍するオピニオンリーダー達が結集し、彼らの講義を通して、受講者ひとりひとりが「自分にとっての『アート』とは何か?」を考えるイベントだ。1日3,000円で20種類を超えるアート関連講座を自由に受講できる事前申込チケット1000枚は既に完売。会場は、この日を待ち望んでいた多くの受講者たちの熱気で包まれた。
この日開催された講座の中でも、ファッションプレスがピックアップした6つの講座の模様をお届け!
「人類が生き残ることと、アートに何の関係が?」こんな疑問が浮かんだ人も多いはず。しかし、そうした疑問の背景にはアートやビジネス、そして社会問題といった様々な問題を別々の事柄として考えてしまう視野の狭さが原因かもしれない。この講座では「人類が地球に生き残るために何ができるのか」をテーマに、主催する「REBIRTH PROJECT(リバース・プロジェクト)」で様々なプロジェクトを展開してきた俳優、映画監督、そして美術家である伊勢谷と、あらゆる知識を駆使して新しさを生み出し続けるキュレーター片岡が、様々な問題を広い視野から考え、人々の新しい未来の生き方について語った。
クリエイターの手で廃材をアート作品生まれ変わらせる「The Spike Show」や、デニムメーカーLee Japanとコラボレーションして倉庫で眠る余剰デニムに新たなデザインをプラスし資源を生かす「LeeBIRTH PROJECT」などのプロジェクトを伊勢谷が紹介。それに対し片岡は、既製品である男性用便器をアート作品として提示することで世界に衝撃を与えたマルセル・デュシャンの「泉」を例に挙げ、「あらゆるものに別の価値を与える」という現代アートとの共通点を指摘していた。
また、「REBIRTH PROJECT」は特に3.11東日本大震災後、「元気玉プロジェクト」に精力的取り組んできた。誰かを元気にするためのアイディアを持っていても、それを行動に移すのは個人では難しい。そんな個人を共感者が活動費用を支援し、想いをかたちにする「元気玉プロジェクト」は大きなムーブメントとして全国から大反響を呼んでいる。衣食住という生活に密着した部分で「先進国の現在の生活を成立させるために、地球の多くのエネルギーや資源が犠牲になっていることをまず意識すること、そして時代に合わせて何が必要かを考え、行動していくこと」を日常的に心がけ、気軽に、そして責任をもって継続していくとが大切だと、伊勢谷は強く訴え続けた。さらに、講座終了後のインタビューでは「ひとりひとりが大きなことをしようとする必要はない。誰しもが社会を変えるチャンスを持っている。いつ行動を始めるかではなく、全ては既に始まっていること。諦めない姿勢を大切にしてほしい」と語った。
REBIRTH PROJECT公式サイト: http://www.rebirth-project.jp/