アントワープ王立芸術アカデミーでデザインを学び、卒業コレクションではヨーロッパで数々の賞を受賞するなど新生デザイナーとして国内外から注目を集めているユイマナカザト(YUIMA NAKAZATO)が2011年春夏コレクションを発表した。
「未来の人間」をテーマとし、男性と女性や自然と人口など対極にある要素を融合させた独自の世界観を見事に表現してみせた。
メンズのコレクションにあえてコルセットやロングドレスが登場した背景にはデザイナーが持つ女性のファッションに対する憧れや、合理性や機能性にとらわれず、装飾性を楽しみたいという意向が含まれている。
着想源は、アフリカ民族が身近な木や植物を身につけ装飾を楽しむ姿勢にあるというが、デザイナー自身「現代の東京にいる自分が表現したらどうなるかを追求した」と語っているように、オールブラックの中にメタルカラーを導入し、素材もプラスチックやエナメルなどが多用され、全体的にモダンな印象が強い。
彼のアイコン的アイテムでもある踵部分がそぎ落とされた高いヒールのプラットフォームもあいまって、フューチャリスティックかつ都会的なクリエイションとなった。