写真展「荒木経惟 往生写集-愛ノ旅」が、2014年08月09日(土)から10月05日(日)までの期間、新潟市美術館にて開催される。
「アラーキー」の名で知られる写真家・荒木経惟(あらき・のぶよし)。この展覧会に出品される彼の新作では、妻や愛猫との日々に始まり、新潟への旅、そしてひろやかな人間愛に満ちたシーンまで、様々な世界が切り取られている。そこに表現されているのは、時代の空気を呼吸しつつ、日常の営みや身近な幸福など、ほんの小さな出来事さえも愛し肯定する、写真家自らの姿勢。
2000年以降、前立腺癌発症や摘出手術、妻亡き後唯一の家族であった愛猫・チロの死、東京都内で遭遇した東日本大震災などを次々と経験した荒木。そこで彼は、自らの「死=往生」を意識しはじめたという。「往生写集(おうじょうしゃしゅう)」という写真展のタイトルは、荒木の現在の心境を捉えたものだ。
自らの死を意識しているからこそ、何気ない日常が愛しく思えてくる。そんな人の営みの中に生まれる皮肉の中で、作品制作を続けてきた荒木にとって、これまでの集大成ともいえるのが今回の展覧会だ。会期中は本人による対談や学芸員の解説、ワークショップなどさまざな関連イベントが開催されるので、こちらももらさずチェックして、アラーキーの世界にじっくりと浸ってみたい。
【開催情報】
荒木経惟 「往生写集-愛ノ旅」
会期:2014年8月9日(土)〜10月5日(日)
会場:新潟市立美術館
住所:新潟県新潟市中央区西大畑町5191-9
開館時間:9:30〜18:00
休館日:毎週月曜日(祝日又は振替休日の場合は、その翌日)祝日又は振替休日の翌日(日曜日にあたる場合は火曜日)
TEL:025-223-1622
<イベント>
1.「アラーキーの奇想対談」
荒木経惟(写真家)×辻惟雄(美術史家、MIHOMUSEUM館長)
日時:9月7日(日) 14:00〜15:30
会場:メディアシップ日報ホール
定員:280名
参加料:無料
事前申込み:必須 ※申込締切8月20日(水)。
※未就学児の入場不可。
2.学芸員による解説会
日時:8月17日(日)、9月14日(日) 14:00〜(30分程度)
会場:当館2F講堂
定員:100名
参加量:無料
事前申込:不要
3.美術講座
当館学芸員が写真表現について解説。
日時:8月30日(土) 「心霊写真の歴史」 担当学芸員 藤井素彦
9月20日(土) 「1970年代日本の写真」 担当学芸員 松沢寿重
各日13:30〜(90分程度)
場所:当館2F講堂
定員:100名
参加量:無料
事前申込:不要
4.ワークショップ 「光の採集〜ピンホール写真を体験しよう〜」
空き箱を使ったピンホールカメラを手作りし、美術館内外や周辺を撮影。印画紙を用いた撮影・現像をし、作品鑑賞会も実施するプログラム。
講師:高橋悠、高橋香苗(デザイナー・美術家)
日時:8月23日(土)・24日(日) 10:00〜16:00
対象:小学校3年生以上〜
参加費:ひとり1000円
定員:20名
事前申込み:必須 ※締め切り 8月11日(月)。
5.映画上映会
「アラキメンタリ」(トラヴィス・クローゼ監督、2005年、75分)
「愛の新世界」 (高橋伴明監督、鈴木砂羽主演、荒木経惟原作・出演 1994年、115分)
期間:9月6日(土)〜9月12日(金)
場所:シネ・ウインド
※有料上映。
※同時開催の「コレクション展III 牛腸茂雄」の関連映画もあわせて上映。
【申し込み方法】
・往復はがきに「参加者全員の氏名、住所、電話番号、人数、学年(高校生までの方)、『対談希望』か『ピンホールカメラ希望』」を記入のうえ、新潟市美術館まで送付。
・一通につき、対談は2名まで、ワークショップは4名までこ応募可能。
・ 応募多数の場合は抽選。
・それぞれ申込み締め切り日から3日以内に、ご参加の可否を返送。