ファセッタズム(FACETASM)の2025年春夏コレクションが発表された。テーマは「RADIANCE」。
今季、ファセッタズムがテーマに掲げた「RADIANCE」とは、直訳すると発光や輝きという意味となる。“輝き”というテーマに則り、デザイナーの落合宏理がフォーカスしたのは様々な“光”だ。太陽光であったり、閃光であったり、多様なシーンで見ることのできる光を着想源に、光を放つ服を展開する。
光あるところには影があり、影あるところには光がある。切っても切り離せない光と影という2つの要素を表すのが、ラペルや裾、ポケットを立体的に仕上げたテーラードベストだ。それぞれのパーツにぷっくりとしたマチを作ることで、光を浴びて後方へ伸びる影を表現。同時に、立体的にすることで直接的に影を生み出した。
シャツやパンツを彩るチェック柄は、均一ではないのがポイント。イエローとブルーをベースに、ところどころオレンジの配色にすることで、差し込む一筋の光を示した。なおウィメンズのショートスカートは、正面から見るとシャツを腰に巻いているように見え、後ろから見るとプリーツの入ったミニスカートに見えるという遊び心に溢れたピースとなっている。
鋭い閃光は、艶やかな箔プリントで表現。ゆったりとしたサイズ感とドロップショルダーが特徴のジャケットやTシャツの袖、裾、ポケットのライン、袖山などに、まるでレーザーが走るかのように沿わせている。特にTシャツに配したシルバーの箔プリントのラインは、強く差す銀の光のよう。
ファミリーマートで展開している、落合監修による「コンビニエンスウェア(Convenience Wear)」との繋がりにより、今治タオルとのコラボレーションジャケットも実現。ジャケット全体に今治タオルを使用した、ふっくらと贅沢な1着となる。青空から夕焼けが映える空へと、刻一刻と移り変わる空を表すかのように、美しいグラデーションを成している。
光というテーマを分かりやすく示すのは、眩しく鮮やかな蛍光イエローだ。ファセッタズムで定番のジャージのセットアップでは、ジャケットの袖、プリーツ入りのパンツの内側に蛍光イエローのカラーを採用した。また、今季は今までと比べるとややクリーンで、明るいカラーパレットなのが印象的。それに合わせて、使用した素材もモヘアニットやメッシュといったように、全体的に柔らかなものとなった。