展覧会「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」が、熊本市現代美術館にて、2024年7月13日(土)から9月23日(月・振)まで開催される。広島市現代美術館などでも開催された巡回展だ。
「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」展は、スウェーデンに住むガラス作家・山野アンダーソン陽子が手がけたガラスの器とともに、18人の画家による絵画、三部正博による写真を展示する展覧会だ。
1978年生まれの山野は、ガラス食器という量産されたクラフトに関心を抱き、北欧最古のガラス工場内の学校で吹きガラスの手法を学んだ。手作業で制作される山野のガラス食器は、同じものであっても1点ごとに表情が微妙に異なる。山野にとって、器のこうしたささやかな個性は、器と使い手のあいだに結ばれる関係性を考える契機になったという。
山野は2013年、自身のガラス食器にまつわる本を作る提案を受けた。そこで山野は、スウェーデン、日本、ドイツを拠点とする18人の画家に声を掛け、静物画に描きたいガラス食器を言葉でリクエストしてもらった。このリクエストに応じて、山野はガラス食器を制作し、できあがった器をもとに画家は絵を描く。こうして作られた器と絵画を、写真家の三部が撮影し、これらの写真をアートブックへと結実させたのだ。
山野は、普段から静物画の中のガラスに目を向けやすかったという。それは、割れやすい現実のガラスと、決して割れることがない絵画の中のガラスの「ズレ」を、魅力として捉えていたからであった。山野がアートブックの提案を受けたのは、自ら手がけたガラスが絵画に描かれたとき、そこにどういった差異が生じるのか、という関心からであったのだ。
本展では、ガラス、写真、絵画という異なるジャンルの関係性に目を向けつつ、山野のガラス食器、伊庭靖子や木村彩子ら18人の画家による絵画、三部の写真を展示する。
展覧会「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」
会期:2024年7月13日(土)〜9月23日(月・振)
会場:熊本市現代美術館 ギャラリーI・II
住所:熊本県熊本市中央区上通町2-3 びぷれす熊日会館 3F
開館時間:10:00〜20:00(入場は19:30まで)
休館日:火曜日
観覧料:一般 1,300円(1,100円)、シニア 1,000円(800円)、学生(高校生以上) 800円(600円)、中学生以下 無料
※( )内は、前売、20名以上の団体などの料金
※前売券は7月12日(金)まで販売
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などの提示者および付添者1名は無料
■出品作家
山野アンダーソン陽子、三部正博、石田淳一、伊庭靖子、小笠原美環、木村彩子、クサナギシンペイ、小林且典、田幡浩一、八重樫ゆい、アンナ・ビヤルゲル、アンナ・カムネー、イルヴァ・カールグレン、イェンス・フェンゲ、カール・ハムウド、ニクラス・ホルムグレン、CM・ルンドベリ、マリーア・ノルディン、レベッカ・トレンス、センナイ・ベルヘ
【問い合わせ先】
熊本市現代美術館
TEL:096-278-7500