タオ(TAO)の2023年春夏コレクションが、2022年10月26日(水)に東京・南青山にて発表された。
トリコ・コム デ ギャルソン(trict COMME des GARÇONS)からタオに改名して3シーズン目を迎える今季。目を引いたのは、大小色彩様々な“花”と“リボン”だ。
尚、グラフィックは、アーティスト・SHUN SUDOとのコラボレーション。SHUN SUDOの代表的なアイコンである「ボタンフラワー」や「LOVE」を落とし込んだ。「ボタンフラワー」には、はなればなれの生地を1つに留める“ボタン”を通じて絆や未来への希望を示唆するという、SHUN SUDOの祈りにも似た思いが込められている。
ドット柄に大きく花開く赤い花が舞うチュールドレスや、バーズアイの生地に水玉柄と「ボタンフラワー」を施したジャケットなどは、規則的に並ぶ幾何学的な模様と有機的な「ボタンフラワー」の対比が印象的。ハイコントラストの白黒ストライプジャケットや、細い線が並ぶストライプスカート、シックなグレー×黒の縦縞ワイドパンツなど、グラフィカルなアイテムをコーディネートに組み合わせることで対比的に花の存在感を際立たせたルックも展開された。
また、最も分量感の出るスカートの裾部分や、目に留まりやすいTシャツのフロントには大きな「ボタンフラワー」を配し、布地の重なる部分には小さめの「ボタンフラワー」をレイアウト。フォルムや生地の流れと連動させた柄の配置によって、より一層生き生きとした佇まいに仕上げている。
一方、リボンは多彩な方法で服地の流れを変えるアクセントの役割を担っていた。裾に向かってダイナミックに広がるスカートにはウエスト部分に大きなリボンが配されており、まるで着物の帯のような存在感に。また、ベストやジャケットのバック、ビスチェにはリボンを複数あしらい、ブラウスには布地を寄せ集めるようにしてリボンを形作っている。
また、タイブラウスのタイにも大きなモアレ素材のリボンを採用することでプレイフルな雰囲気を添え、ギャザーを寄せたケープには生地のドレープに沿ってリボンをあしらうことで、独特のリズムを作り出した。
飛び跳ねるように軽快で、しなやかな素材も特徴的だ。光を通すような質感のホワイトのコートや、シースルー素材に大きなドットをあしらったジャケットなど、繊細で軽やかな生地使いがイノセントなムードを演出している。鮮やかな花々をプリントしたオーガンザのスカートは、細かく切り替えを施すことで、軽やかながらもふんわりとしたボリュームのあるシルエットに仕上げた。トレンチコートに合わせたアイボリーのワイドパンツは、艶やかな光沢を携えた優雅な表情が余韻を残す。
シルエットは、ゆったりとした大らかな造形が散見された。チュールや布地を重ねることで、空気を含んでいるかのような、エレガントな分量感を出したスカートや、生地をたっぷりと使ったオールインワン、贅沢にギャザーを寄せることで大きく広がるフォルムに仕立てたドレスなどが登場している。