タオ(TAO)は、2025年春夏コレクションを、2024年10月23日(水)に発表した。
「ムーミン」の作者であるトーベ・ヤンソンの冒険心や好奇心、クリエーションに対する情熱にインスパイアされたという今季のタオ。白を基調とした前シーズンとは打って変わって、色柄に溢れるエネルギッシュなコレクションを創り上げた。大ぶりのフリルやリボン、オーガンザなど、ブランドを象徴するフェミニンなディテールを取り入れながら、チャーミングさが際立つ装飾的なルックを展開していく。
ひときわ目を引いたのが、トーベ・ヤンソンの肖像画を落とし込んだジャケットやスカート。たとえば、モーニングコートを思わせるテールカットのジャケットには、彼女の肖像画を市松模様の形にくりぬいた総柄をオン。ピンクとグリーンのヴィヴィドな配色で、キッチュなムードを高めている。
また、トーベ・ヤンソンの肖像画と、彼女の日常を感じられる身近なものが描かれた情景をコラージュしたエプロンドレスや、フィンランドの街と思われる風景とドット柄をパッチワークのように組み合わせたスカートなど、柄と柄を繋ぎ合わせたピースも散見された。
また柄同士は、"重ねる"ことで新たな表情を見せている。水彩画のキャンバスをそのまま落とし込んだかのような、色彩豊かな花柄のスカートがその一例。同柄のオーガンザ素材を軽やかにレイヤードすることで、プリントが浮き出て、踊るような躍動感を伴っている。
ピンクやパープル、ブルーといった鮮烈なカラーが躍動する一方で、それらを引き締める「ブラック」のピースが随所に用いられていたのも印象的だ。生地のドレープに沿って大胆なリボンを配したブラウスや、ギャザーが流れるブルゾン、身体を覆うベールのようなシアー素材のトレンチコートは、黒が持つシックな性格を強調しつつ、その生き生きとしたフォルムによってコレクションにリズムをもたらしていた。
最後に目を向けたいのは足元。前シーズンに続き、パトリック(PATRICK)とコラボレーションしたスニーカーが登場した。定番のランニングシューズをベースに、厚底へとアレンジを加え、春夏の陽気を感じさせる草花柄の刺繍テープを配した。