独特のボリュームは、ハンドプリーツとフリンジによって引き出されている。女性が駆け出した時に見せたコートの躍動感は、身に着ける者の気分の高揚を表現するかのようだ。
ハンドプリーツ加工を施したシルクガーゼのコローラ(花冠)シルエットのドレスは、物語の中で一段とロマンティックな存在。ミニチュアサイズでは、1本の糸でウエストをしめてプリーツを寄せ、まるで宝石を包み込むかのような優しい広がりで、身頃のシルエットを仕立てた。一方、スカート部分のボリュームは、クリノリンとアンダースカート、そして3つのレイヤードによって導かれている。
手作業によって故意に解れさせたヘムラインは、妖精を想起させるほどの繊細さ。それはムッシュ ディオールらしさでもありマリア・グラツィア・キウリらしい表現でもある。3名の職人が合計180時間を費やして完成させた。
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クリスチャン ディオール
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