展覧会「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力──世界の女性アーティスト16人」が、東京・六本木の森美術館にて、2022年1月16日(日)まで開催される。なお、2021年9月26日(日)までの会期を予定していたが、延長となった。
フェミニズムなどに見るように、ジェンダー、人種、民族、信条といったさまざまなアイデンティティの不均衡を批判し、多様なあり方を尊重する動きは、近年ますます広がっている。そして現代アートにおいても、戦後動乱期の1950年代から1970年代にキャリアをスタートし、今日に至るまで活動を続けてきた女性アーティストに注目が集まっている。
「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力──世界の女性アーティスト16人」は、世界各地で創作活動を続ける70代以上の女性アーティスト16名を取り上げる展覧会だ。半世紀以上におよぶそのキャリアを、それぞれの初期作から代表作、そして本展のための最新作まで、多角的に紹介する。
本展に参加するアーティストの出身地は、エジプト、インド、韓国、アメリカ、日本など14か国に及び、現在の活動拠点、そして表現方法も多岐にわたる。
スイスに生まれたミリアム・カーンは、1970年代に反核運動などの社会的動向に影響されて、アーティストとしての活動をスタート。ユダヤ人女性である自身のアイデンティティ、差別や暴力といった社会問題、そして戦争などの問題意識のもと、木炭のドローイングや色彩豊かな油彩を手掛けている。
また、ブラジルを代表するアーティストのひとり、アンナ・ベラ・ガイゲルは、1960年代ブラジルの政治的混乱のなか、ポーランド系移民として西洋近代を経験した。彼女は社会参画と実験的な手法を軸に据えるその創作を通して、政治的に引かれる国境やアイデンティティの問題を再考し続けているのだ。
さらに、コミュニティとの対話などによって社会的な価値観の変革を促す“ソーシャリ―・ エンゲージド・アート”の先駆者であるとともに、教育者、著述家としても活躍するスザンヌ・レイシーも参加するように、参加アーティストはその表現や生き方に至るまでさまざまだ。本展では、そのように多様な実践から、フェミニズム、世界で生じる問題、そして従来の美術史のさまざまな解釈などにふれることができるだろう。
展覧会「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力──世界の女性アーティスト16人」
会期:2021年4月22日(木)〜2022年1月16日(日)
※2021年9月26日(日)の閉幕を予定していたが延長
※4月25日(日)〜5月31日(月)は臨時休館(専用オンラインサイトでの臨時休館期間のチケットの購入者には順次返金対応を実施)
※当初は2020年10月1日(木)~2021年1月3日(日)の会期を予定していたが変更
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階
開館時間:10:00〜20:00
※火曜日のみ17:00まで(11月23日(火・祝)、12月28日(火)、1月4日(火)・11日(火)は20:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
観覧料:
・平日 一般 2,000円(1,800円)、学生(高校・大学生) 1,300円(1,200円)、子ども(4歳~中学生) 700円(600円)、シニア(65歳以上) 1,700円(1,500円)
・土・日・休日 一般 2,200円(2,000円)、学生(高校・大学生 1,400円(1,300円)、子ども(4歳~中学生) 800円(700円)、シニア(65歳以上) 1,900円(1,700円)
※料金はいずれも税込
※事前予約制(日時指定券)を導入、専用オンラインサイトから「日時指定券」を購入可(オンラインでのチケット販売は18:30~19:00の回が最終。19:00以降のチケットは、当日窓口にて購入)
※( )内は専用オンラインサイトでチケットを購入した場合の料金
※当日、日時指定枠に空きがある場合は事前予約なしで入館可
※営業時間の最新情報などは、ウェブサイトにて確認
■出展アーティスト(姓のアルファベット順)
エテル・アドナン、フィリダ・バーロウ、アンナ・ボギギアン、ミリアム・カーン、リリ・デュジュリー、アンナ・ベラ・ガイゲル、ベアトリス・ゴンザレス、カルメン・ヘレラ、キム・スンギ、スザンヌ・レイシー、三島喜美代、宮本和子、センガ・ネングディ、ヌヌンWS、アルピタ・シン、ロビン・ホワイト
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)